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足から自然と身体を繋ぐ「歩むsocks」―山岳ガイド旭立太がつくる靴下が完成!

一体どんな靴下なのか? 

20年近く、四季折々の山で過ごしてきた長い時間と豊かな体験から生み出した「歩むsocks」。「自分が作るなら、履いていて気持ちがいいものを作りたい」。旭さんがこだわったのは、履き心地の良さ、動きを妨げない機能性、それでいてシンプルであること。

それぞれのこだわりポイントにふれてみよう。

「ルーズ・タイト」そうあってほしいの掛け合わせ

「実は僕、外反母趾がすごいんです。合わない靴とか形状の靴下を履いていると、すごく違和感がある。それに登山や滑りのとき、ブーツのなかで足を動かしたい人なんです。だから足の動きを妨げないってことには、こだわりがある。

それと、怪我をしたときにお世話になった東洋医学の先生に教えてもらったんです。
「ふくらはぎはポンプの役割を果たしていて、血液循環を良くする機能があるんだ。例えば女性とか、血液のポンプ機能が弱くて足がむくみやすい人には靴下で圧をかけることで循環を促進する意図があるけど、筋力のある人にとっては、逆に動きの妨げになってしまい、足が疲れたりしちゃうよ。これはいらないよね」って。あらためて納得したりして。

だから、ルーズであってほしいところはルーズなのがいい。結果、足首は適度に締まっていて、ふくらはぎはゆとりを持たせてルーズに。履いていて疲れないように。素材は伸縮性があるパイル網を使って、履いたときボリュームがないように工夫しています。

ルーズとタイトの絶妙のバランスで理想の履き心地を叶えた

かかとからつま先にかけては、とくに指、母指球の手前あたりから一番ワイドな部分、前側は指が広げられるようにルーズめに、横幅を広くしてある。かかとは締まっていて、前は開きやすいから、靴下のなかで指が動かしやすく、指の力も使えるわけです」

ルーズとタイトが絶妙に組み合わされたデザイン、それが快適な心地良さをもたらすのだ。

素材の最後はシンプルに

このファクトリーで丁寧な職人仕事によって創られている

「歩むsocks」は、岐阜県関市にある創業80年の日本でも有数の職人工場である東洋繊維で製作している。

「当初は、「美濃和紙」という岐阜県の美濃地方の特産である和紙素材と、僕の住んでいる愛知県の尾州の特産のウールを使って靴下を作ろうという計画だったんです。美濃和紙の吸湿性や軽量感という特性と、尾州のウールの特性を合わせたら面白いな、と考えていたから。それが、発案から2年もかかってしまった過程で、たくさんのサンプルを試していくと「良し悪しがある」ってこともわかってきたんです。それで、結果的にはシンプルにメリノウールに戻りました(笑)。

原料の出どころから加工工程までを大切に考えて、牧場の選定、原毛の管理、加工に至るまで、『背景が見えること』を何より重視しています」

そのウールだが、防縮ウールという、洗っても縮まない加工を施したウールで、WOOL100%。足裏とかかとなど滑る部分は、化繊で補強し、最小限の化繊が入るが、基本的には、このようにほぼメリノウールで作られた。

メリノウール 89%|ナイロン 10%|ポリウレタン 1%
この“高いメリノウール率”も、歩む Socks の大きな特徴。

「山で使うものだからこそ、どんな素材かを、ちゃんと知った上で選びたい。その考え方を、履き心地から伝えていきます」と旭さん。

デザインもミニマルに

@ayumu.socks

「はじめは登山用と滑り用と2タイプの展開を考えていたのですが、これもまた最後は一緒になっちゃいました(笑)。サンプルは両方作ったんですが、登山用がすごく良すぎて、これ両方にいけるじゃんって。なので、最初は「Tall」という丈でスタートします。

春から秋にかけても履くことを想定しているので、もうちょっと暖かくなり過ぎいように、足裏のパイル編みは一緒のボリュームなんですけど、甲の部分は湿気が逃げるように薄くしています」

滑ることを考えると、ブーツの足裏のフィーリングがとても重要で、より繊細な足裏フィーリングがほしい。僕は比較的薄手の靴下が好きなので、薄手で暖かいのを作っていたんですけど、結局、これまた中厚になっちゃった(笑)。

中厚は暑くて汗をかきすぎてフィーリングが悪いかと思っていたら、作ってみたら悪くないんですよ。結局、最近の登山でも同じ中厚のものを履いていて、まったく問題なく快適なんです。すると、基本、真夏以外は使えるね、となりまして。最終形態は中厚のパイル地になりました。

パイル編みの独特の"ふんわり”が心地良い

100%ウールなので、湿気がほぼない、感じないんですよ。汗を感じない。ずっとさらさらしている。通常の編み地は表面が平らですが、パイル編みはループ状の繊維が特徴。フィーリング的には、地は中厚だけど、ループ状の繊維によって空気の層ができて、暖かさをキープしてくれて、クッションや保護の役割も果たしてくれるので、ふんわりした履き心地で快適です。

いままで長時間ブーツを履くと足があたって痛かったのが、この靴下を履くようになって痛みが軽減して、ほぼなくなっちゃいました」

「結局みんな中厚になっちゃった」と苦笑いする旭さんだが、それはサンプルを作っては試し、時間と根気のいる作業を繰り返した努力が導いた答えに他ならない。「こうであるはず」と最初に立てた仮説に固執せず、自らの研ぎ澄ませた感覚を信じて、プロダクトをアップデートしていく姿勢は、まさに現場主義のガイドらしい。

靴下の重要性

Rider:Ryuta Asahi

スキー・スノーボードをするときの靴下が変わると、何が起きるのか? 触れないわけにはいかないのが、靴下の重要性や枠割だ。

「靴下は、靴と足をつなぐ関節的な役割を果たします。靴がいくらよくても、ちゃんと足と合ってないとパフォーマンスもよくならないです。だから、靴下は靴と足を上手く連動させるための重要な媒介アイテムだと思っています。

単なるクッション材というより、靴と足の連動を円滑に進めてくれるものでもあり、ブーツ・登山靴と足、それぞれのポテンシャルをより引き上げてくれるものだ、と考えています。それは自分の滑りのポテンシャルも引き上げてくれる。靴がたいしたクオリティのものでなくても、靴下によって自分のパフォーマンスのポテンシャルを上げられこともあると思います。

足の指が広げられるかどうかで、滑りのパフォーマンスが変わる。足裏は「鍵」ですね。いまは靴が進化しているから、靴でサポートしている、足が本来持っているはずの指でバランスをとる力や、指でコントロールする力は落ちてしまっているんです。

そこに問題意識を持って、いま、幅広でベアフット系(裸足感覚の靴底の薄く、つま先の広い靴)が流行ってきていますよね。人間の足が持つ本来の機能を取り戻そうというムーブメントが、アメリカを中心に起こっていて、日本にも広がりを見せています。僕は、ベアフットの靴を履いているおかげで指が開いてきたので、2年前の靴が履けなくなった。それに腰にかかる負担が減って、腰の疲労が軽減されました。

「歩むsocks」もベアフット系のシューズと同じように、幅広でスペースがあるから、指が開き出して、指の運動が活性化される。それによってバランスがとりやすくなったり、足に無理のない自然な動きが促される。だから山でも疲れにくくなるはずです」

配信元: STEEP

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