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観光を学ぶことは地域を知ること 日本観光振興協会が小学生に伝えたい想い

小学生が“観光”を自分の言葉で考えた時間

講座の中で行われたプログラムは、いずれも「正解を教える」ものではありません。小学生自身が考え、話し合い、言葉にすることを重視した内容で構成されています。その象徴とも言えるのが、最初に行われた地図帳を使った学びです。

普段は学校で使っている地図帳を、観光の視点で読み直す。小田急沿線を指でたどりながら、どんな場所があり、どんな特徴があるのかを整理していくことで、日常の延長線上に観光があることに気づいていきます。地図の上をなぞる行為そのものが、まるで頭の中で旅をしているような感覚につながる構成です。

続くワークでは、観光資源を「建物・施設」「祭り・イベント」「歴史・伝統」「生活文化」「食べ物」「自然」といった切り口で整理していきました。小田原城や地域のお祭りなど、名前を挙げること自体が目的ではなく、「なぜそれが観光につながるのか」を考える時間が用意されています。身近な話題から意見が広がっていく点は、小学生ならではの柔らかさを感じさせます。

さらに講座では、観光客の立場に立って考える視点も取り入れられました。家族旅行、熟年夫婦、海外からの観光客など、訪れる人によって求める体験は異なります。価格や目的といった軸を使いながら、「どんな人に、どんな旅が合いそうか」を考えることで、観光を受け入れる側の視点が自然と育っていきます。

最後には、観光パンフレットを読み込み、選んだ観光スポットを紹介する発表の時間が設けられました。顔ハメボードを使い、観光地になりきって紹介するという工夫により、発表の場も楽しさを伴ったものになっています。学んだことを自分の言葉で伝える経験は、観光を「知識」から「表現」へと引き上げる役割を果たしていました。

これら一連の流れから見えてくるのは、観光を単なる情報として覚えるのではなく、「なぜ」「誰のために」「どんな価値があるのか」を考える学びです。日本観光振興協会が大切にしてきた観光教育の考え方が、講座全体を通して具体的な形になっています。

地域・企業・大学が重なり合って育てる観光教育の場

この講座が印象的なのは、日本観光振興協会の考える観光教育が、ひとつの団体だけで完結していない点です。地域、企業、大学といった立場の異なる存在が、それぞれの役割を持ちながら一つの学びの場を支えています。

講座当日は、初対面の小学生同士でグループが組まれましたが、各グループには多摩大学の学生がサポート役として参加しました。年齢の近い大学生がそばにいることで、小学生が安心して意見を出しやすい環境がつくられています。答えを教えるのではなく、考えを整理したり、発言を後押ししたりする役割に徹している点も、この講座らしい工夫です。

また、学びの場が教室の中だけにとどまらなかったことも特徴のひとつです。講座の後にはロマンスカーミュージアムを訪れ、鉄道や地域の歴史を体感する時間が設けられました。観光を支える交通の存在を、実際の展示を通して知ることで、座学で得た知識が立体的につながっていきます。

こうした体験型の構成は、観光を「特別なもの」ではなく、日常と地続きの存在として捉えるための工夫とも言えます。地域に根ざした企業や教育機関と連携することで、観光教育はより現実味を帯びたものになります。その全体を束ねる役割を担っているのが、日本観光振興協会です。 協会が描く観光教育の姿は、知識を教えることにとどまらず、関わる人を広げていく点に重きが置かれているように感じられます。小学生、大学生、企業、地域。それぞれが関わることで、観光というテーマが一過性の体験ではなく、社会の中で循環していく学びへと育っていく。その構図が、この講座からは読み取れます。

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