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五輪スキーハーフパイプ・松浦透磨|自身を象徴するトリック「オクトパスグラブ」を武器に挑む

世界が待望する、唯一無二のアイコン「オクトパス」

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Toma MATSUURA (松浦 透磨)(@tomamatsuura_ski)がシェアした投稿

松浦がミラノの舞台で披露しようとしているルーティンは、唯一無二のオリジナリティを追求したものだ。高回転を追求する流れからは一線を画し、ジャッジと観客を魅了する構成を汲んでいる。

【五輪予定ルーティン】
1発目:スイッチレフト・ダブルコーク1080 + ダブルジャパングラブ
2発目:ライト・ダブルコーク1260 + テールグラブ
3発目:レフト・ダブルコーク1260 + ミュートグラブ
4発目:アーリーウープ・ロデオ540 + オクトパスグラブ
5発目:ダブルロデオ900 + ジャパングラブ

なかでも注目は、4発目の「アーリーウープ・ロデオ540+オクトパスグラブ」だ。このグラブは、左右のスキー板を複雑に掴み、シルエットを作るのが難しいスタイルだ。

「昔やってた人がいたみたいですけど、いまはもう誰もやっていない技です(チャールズ・ギャグナーのフェイバリットトリックとして有名)。他の人にはない動き、540だけどオクトパスグラブを組み合わせると『これヤバい』って言わせられるようなトリックだと思うんですよね。そこで自分らしさというか、スタイルを出せているかなって思ってます」

実際、W杯では「透磨=オクトパス」というイメージが世界のコーチ陣の間でも定着している。 

「公式トレーニングをしているときも、他国のコーチから『オクトパス見せて!』ってめっちゃ言われたりとか、『それが見たいんだよ』って言ってくれる人が結構いるんですよ。
大会で失敗すると点数が出ないリスクもあるんですけど、むしろジャッジにもそれが見たいと思わせるような滑りができてきているのかなと思っています」

際限のない回転数の足し算ではなく、一瞬のシルエットで空気を変える。それこそが松浦が追いかけ続けているスキースタイルの一端だ。
それでも、体は現在満身創痍の状態だという。

スタートゲートでオクトパスグラブのイメトレをするシュールな図の松浦

「正直、今シーズンに入るまで、そんなにいい滑りができるとは思ってませんでした。腰を痛めてたり、肩も痛めてたりと、結構ボロボロの状態。
でも、シーズンに入るギリギリ最後までオフトレを頑張って粘って練習をしたら、すこし余裕が出てきました。

それで現地(中国)に入って、W杯公トレの1日目はダブルをまったくやらずに、パイプに合わせて滑ることに集中。2日目から自分がやったことのあるダブルを全部試したんですけど、トライしたトリックはほぼ全部立てた。
完成度が低かったので、使える技をコントロールしながらW杯1戦目10位、2戦目8位と状態を上げていけたのは良かったなと思います。

今シーズンはパイプにあわせてトリックを調整できるスキルが上がったのは、大きな収穫でした」

身体的な不安を、技術的な調整力と培われた自信でカバーする。その強さは、パイプだけでなく、雪山全体を遊び尽くしてきた彼のスキースタイルから来ている。

「基本的にパイプの選手ですけど、パイプスキーヤーっていうよりかは『フリースタイルスキーヤー』。雪山のすべてが滑れる、全部できる人を目指してるんです。
特定のカテゴリーだけをやっていてはスキー力は絶対に上がらない。パークだけじゃなくフリーランもパウダーもやるし、ジブだったりスノーボードで遊んだりもします。

そういった経験が全部、いまの滑りに繋がっていると思っているんで。

キッカーでのトリックも増加の一途。大きな台ではダブルトリックもする
Photo by Yuta Miyazawa

失敗するしないじゃなく、すごい技をしている、していないだけでもない。天気によって状況は変わっちゃうけど、『スタイル』は、常に変わらないものであると思うので、とにかく、カッコいい滑りを常に意識しています。
オクトパスだったり、ダブルジャパンだったりといったグラブのオリジナリティ、滑りの繋がりや綺麗さ。そこにぜひ注目してもらえたら嬉しいです」

数字では測りきれないフリースキーの面白さや魅力を、五輪という舞台で描こうとする松浦透磨。
彼が繰り出す唯一無二のスタイルは、世界中のスキーヤーの記憶に深く、鮮烈に刻まれるに違いない。

スタート前に披露する彼の好きな漫画「NARUTO-ナルト-」の火遁の術の印。移動中の新幹線で必死に覚えたというパフォーマンスは海外での評判も上々。話題に上がるのも時間の問題だ

Profile

松浦 透磨  Toma Matsuura

岐阜県大野町出身 2002年生まれ 岐阜日野自動車所属
2023、25年にも世界選手権出場。25年12月のW杯で自己最高位となる8位に入り五輪の出場権を得る。海外選手とも積極的にコミュニケーションをとって、相互に刺激を受け合う。とくに仲が良いのは昔からよく知っているニュージランドのベン・ハリントン選手。

松浦もメンバーの奥美濃ヘッズの動きにも注目 Instagram:okumino_headz

Instagram:tomamatsuura_ski
Facebook:toma.matsuura


配信元: STEEP

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