オフィスビルのトイレで起きた、実話の心霊体験。
それは、日常の延長線上に潜んでいた“微かな違和感”から始まった。
怪談といえば、山奥の廃墟や事故物件を思い浮かべる人も多いだろう。
しかし今回の舞台は、都心にあるごく普通のオフィスビルである。
ここで語るのは、読者から寄せられた投稿をもとに構成した“実話怪談”だ。
誰もが使う共用トイレという、ごくありふれた空間で起きた出来事である。
オフィスビルの共用トイレで始まった、奇妙な交流
投稿者さん(30代男性)は、都内のオフィスビルに勤務している。
複数の企業が入居するそのビルで、共用トイレを利用していた。
そこで、よく顔を合わせる別会社の男性がいた。
最初は軽い会釈だけだったが、やがて世間話をするようになる。
しかし、その会話は次第に変質していった。
「うちの上司が本当に最悪で……」
「〇〇って人なんですけど、性格が腐ってるんですよ」
密室であるトイレに愚痴が反響する。
換気扇の低い唸りに混じり、彼の声だけがやけに大きく響いたという。
気づけば、トイレへ行くたびに彼がいる。
偶然とは思えない頻度だった。
鏡に向かって呟かれていた“呪いの言葉”
ある日、投稿者さんは異様な場面を目撃する。
彼は洗面台の前に立ち、鏡をじっと見つめながら、低い声でこう呟いていた。
「〇〇、死ね」
「いなくなればいいのに」
鏡の中の自分に言い聞かせるように。
あるいは、鏡の向こう側の誰かに向かって。
その声には怒りというより、乾ききった“執念”のようなものがあったという。
投稿者さんが入ってきたことに気づくと、彼はすぐに笑顔へ切り替えた。
「こんにちは! ちょっと聞いてくださいよ」
その不自然さが、逆に恐ろしかった。
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