1月29日、警察庁は捜査員が架空の身分証を使い闇バイトに応募する「仮装身分捜査」を昨年12月までに全国で13件実施したと発表。うち4件で犯罪の実行役5人を強盗予備や詐欺未遂容疑で逮捕した。
「逮捕に結びついた4件の内訳は、強盗予備が2人、詐欺未遂が3人です。残る9件は闇バイトに応募後、やりとりが途中で途絶えたが6件、メンバーに接触できなかったが3件でした」(全国紙警視庁担当記者)
仮装身分捜査とは、捜査員が仮装の身分を使用して捜査対象者と接触するなどして、情報・証拠の収集を行う捜査手法だ。
「仮装身分捜査を導入するに当たり、国会で従来から実行されている“おとり捜査”との違いが議論されました」(警察関係者)
おとり捜査については、1998年から2017年まで放送された松下由樹主演のドラマシリーズ『おとり捜査官・北見志穂』(テレビ朝日系)で、その存在が知られることになった。
「仮装身分捜査も、おとり捜査も捜査員が身分を隠して犯罪グループに接触する捜査手法ですが、目的や対象、捜査の進め方が異なる。仮装身分捜査は被疑者との接触を目的にしているのに対し、おとり捜査は犯罪組織に潜入し、犯罪行為を行った段階で摘発します」(捜査関係者)
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実在しない人物の口座を開設して捜査
仮装身分捜査は、主にトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が対象だ。
「トクリュウはSNS上で売買される口座を犯罪収益の受け皿としてマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用している。警察庁は捜査員が実在しない人物名義の口座を開設して、犯罪組織に渡す“架空名義口座捜査”も導入し、資金の流れを追っています」(前出・全国紙警視庁担当記者)
1月15日、警視庁はトクリュウ撲滅のため、指定暴力団住吉会系「幸平一家」の取り締まり強化に向けた特別対策本部を設置した。
「特殊詐欺事件を巡っては、幸平一家が深く犯罪に関与していると警視庁はみている。対策本部は捜査員75人態勢で、組織の弱体化を目指しています」(同)
トクリュウ撲滅なるか。
『週刊実話』2月26日号より
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