陣営内は刺し合いのような状況に陥っている
「『小林史明氏が主犯ではないか?』『いや木原誠二氏が怪しい』など、陣営内は刺し合いのような状況に陥っている。とにかく雰囲気が最悪です」(陣営中堅)
小泉陣営は告示日の決起集会に92人(代理出席含む)が出席するという大所帯だ。小泉氏と当選同期の斎藤健元経済産業大臣、加藤勝信財務大臣、木原誠二選挙対策委員長、野田聖子元総務大臣、河野太郎元デジタル大臣など、重量級も多数そろう。決起集会でそうしたメンバーに囲まれた小泉氏が感極まって涙ぐむシーンまであり、もはや勝負は決した、と誰もが思った。
ところが政界はまさに「一寸先は闇」といえよう。
この「ステマ」疑惑報道が流れを完全に変えてしまった。ある陣営スタッフは「犯人捜しなんてもそもそも無謀だ」と憤る。よく言えば「重厚」ともいえる小泉陣営だが、逆にいえば、寄せ集めの混成部隊だ。国会議員や秘書たちのメーリングリスト、LINEグループも複数乱立していて、さらに市町村長や地方議員のグループもある。
500人以上の地方議員が登録されたLINEグループもあるらしく、「犯人捜しもなにも、そういったところにかたっぱしから『応援依頼』なんて送れば、漏れるに決まっている」と嘆く。
このスタッフはさらに続ける。
「選挙は生き残りをかけた戦争だから、これぐらいのことはこれまでもやってきた。ただやるからには、口頭で伝えて証拠を残さない。文書で配るなら必ずシュレッダー廃棄するように厳命する。保秘の徹底はこの世界では常識的なことで、メールで依頼するなんて軽率すぎる」
「炎上」の原因となったのは「ビジネス保守」
犯人捜しをしようにも、メーリングリストを通じて投稿依頼しているので特定のしようがない。ただ、相互不信だけが陣営内に残ったようだ。
陣営内では「例文集」にも批判が集まっている。
【投稿依頼で示された24例文】
・ようやく真打ち登場!
・これは本命候補でしょ!
・総裁まちがいなし
・あの石破さんを説得できたのスゴい
・なんか顔つき変わった!?
・去年より渋みが増したか
・泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね
・困った時のピンチヒッター感ある
・期待感しかないでしょ
・野党への切り返しはするどかったぞ
・コメ大臣は賛否両論だけど、スピード感はあったな
・単純にいい人そうなんだよな~
・確かに若手の面倒見良さそう
・むやみに敵を作るタイプじゃない
・頼む 自民党を立て直してくれ
・「保守政党 自民党の神髄」出ました
・ビジネスエセ保守に負けるな
・奇をてらわず、実直に仕事してくれる人がいい
・もう一度自民党に期待させてくれ
・谷垣総裁みたいに「みんなでやろうぜ!」
・チーム進次郎は仲間が多いからなあ
・前回は議員票が一番多かったもんな
・側(そば)で見てる人は分かってるんだよ
・やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ
とりわけ「炎上」の原因となったのは「ビジネス保守」だろう。実際にニコ動の画面にも流されていた。小泉氏を称賛するだけではなく、相手候補、とりわけ高市氏を中傷したことでネットでの大炎上につながった。これらは総裁公選規程にも抵触する可能性がある。

