言わなくても分かると思っていた
「夫婦なんだから言わなくても分かるでしょ」私はこの言葉を、妻に何度も言ってきました。
仕事で疲れているとき、妻が「今日は頭が痛くて」「ちょっと手伝ってほしいんだけど」と伝えてきても、つい軽く流してしまっていたのです。今思えば、妻は本当に助けを求めていたのだと思います。でも当時の私は、その言葉の重みを分かっていませんでした。
「そんなことで」「俺だって疲れてる」という言葉を返すことが、妻を傷つけていたことにも気づけなかったのです。
言わなくても分かるはずだと思っていたのは、ただの私の思い込みでした。
妻の沈黙
ある時から、妻は自分の気持ちを話さなくなりました。最初は気のせいだと思っていましたが、日がたつにつれて、その変化ははっきりしていきました。
体調が悪そうな日も「大丈夫」と言うだけ。困っていることがあっても、一人で抱え込んでいるようでした。
会話は次第に表面的なものばかりになり、妻の本当の気持ちが分からなくなっていきました。以前は、何気ない会話の中で、妻が何を考え、どう感じているのかが自然と伝わってきていたのだと、やっと気づいたのです。
