【父と娘たちは過去を振り返りまっすぐに向き合う】
本作は映画監督の父とその娘たちがしんどかった家族の過去を振り返る物語です。ノーラは恋愛が長続きしないのですが、もしかしたらそれは父が母に対して怒鳴っていた過去がトラウマになり、恋愛に深く踏み込めないのかもしれません。
アグネスは穏やかな人生を送ってきましたが、彼女は父の過去を調べ、辛い過去を見つけて動揺。そして父は、家族と住んだ家で撮影しながら「何かが違う」と違和感を覚え、なかなか先に進めません。その違和感は主演のレイチェルも感じていました。
そんなモヤモヤした感情を登場人物は抱いていますが、そのままにしていたら前に進めない。だから彼らはその感情と向き合うのです。
【父が書いた脚本の秘密】
ノーラは父からの出演依頼をつっぱねたので、父が執筆した脚本を読んでいません。アグネスも読んでいなかったのですが、父に渡され、読んだことで気づいたことがあったんです。そして映画の後半、アグネスがノーラに「読んでほしい」とお願いすると、ノーラの心は動きます。
愛情表現や人間関係を築くのが下手な父が本音を語れるのは脚本の中だけで、その脚本には家族と初めて向き合った父がいて、アグネスはそれに気づいてノーラにお願いしたのかもしれません。そして自分と同じように人間関係を築くのが不器用な娘のノーラもそこに存在していたのではないかと思いました。だから父はノーラに出演してほしかったんです。

