英メディアは19日、チャールズ国王の弟で少女への性的虐待疑惑で「王子」の称号をはく奪されていたアンドルー・マウントバッテン=ウィンザー元王子(66)を英警察が逮捕したと報じた。警察は同日夜に元王子を釈放したが捜査を続けている。元王子は性的人身売買の罪で起訴され勾留中の2019年に自殺した米国の富豪ジェフリー・エプスタイン元被告に対し、英国の機密情報を漏えいした疑いがあるとみられる。1月に米司法省が300万ページに上るエプスタイン元被告の捜査資料を公開したことで今回の逮捕容疑が浮上した。
17歳少女に性的虐待をしていた疑惑が報じられた英国王の弟
この「エプスタイン文書」にはトランプ米大統領を含む世界のセレブが多数登場。エプスタイン元被告が主導し大規模な人身売買や性暴力、小児性愛、拷問も行なわれていたことを疑わせる記載があると報じられている。
資料の内容の真偽は不明で各国のメディアが確認取材を続ける中、アンドルー元王子は文書にある疑惑に絡んだ最初の逮捕者とみられる。今後も当局が文書にある違法疑惑をどこまで立件するかも注目されている。
英警察は19日、イングランド東部ノーフォークの邸宅を家宅捜索し、その後、60代の男を逮捕し「公職における不正行為容疑」で捜査をしていると発表した。警察は元王子の身元を確認していないが、チャールズ国王がコメントで、逮捕された捜査対象が弟であることを事実上認めた。
素行の悪さからすでに王室から追放していたとはいえ、国王の弟による機密漏えいが事実なら英王室の打撃は大きい。これまで伝えられていた元王子の言動について外報部記者が話す。
「アンドルー元王子は、エプスタイン元被告による性的虐待の被害者の1人で、自殺したバージニア・ジュフレーさんによって14年に告発されました。
ジュフレーさんはエプスタイン元被告の行動を明らかにする決定的な役割を担った被害者です。彼女は17歳だった2001年に、エプスタイン元被告とその愛人のギレイン・マックスウェル受刑者(収監中)によってアンドルー元王子に引き合わされ、その日に性行為を強いられたと訴え出たのです」
床に横たわる女性の上に覆いかぶさる元王子の痴態写真
アンドルー元王子はジュフレーさんとは会ったこともないと疑惑をメディアに否認してきた。しかしその態度も続けられなくなる。
「2019年にエプスタイン元被告が自殺した後、ジュフレーさんは米国でアンドルー元王子に損害賠償を求める訴訟を起こしました。その後双方は大筋で和解したと発表し、アンドルー元王子は22年に軍の名誉職を返上しました。否定しきれなくなった形です。
その後ジュフレーさんは昨年4月に自殺し、半年後に手記が出版されました。そこには、エプスタイン元被告とアンドルー元王子が彼女や他の複数の少女に乱交を強いるなど、性的虐待を繰り返し受けていたことが綴られていました」(同)
この手記の出版後、チャールズ国王は弟から王子の称号と爵位を剝奪し、ウィンザー城内の公邸からも退去させた。それでも英メディアによれば王位継承権は失われず、その順位は8位だという。
性犯罪処罰を逃れたかに見えたアンドルー元王子だが、エプスタイン元被告との関係をなかったことにできるはずもない。
「かねてから米トランプ政権に公開圧力が高まっていたエプスタイン文書が1月に公開されると、床に横たわる女性の上に覆いかぶさるアンドルー元王子の痴態を写した写真の存在がすぐに伝えられました。
さらにアンドルー氏が英国の貿易特使を務めていた2010年に、訪問したベトナムやシンガポールなどに関する機密扱いの報告書をエプスタイン元被告に見せ、情報を渡していた内容が書かれたメールなどがあったと米メディアが報じていました。今回逮捕容疑はこの機密漏えいとみられます」(ネットメディア記者)
親密な関係だったこの2010年、エプスタイン元被告はアンドルー元王子を『公爵』と呼びながら26歳のロシア人女性を引き合わせると伝えているメールも送っていたとBBCは報じている。
さらにエプスタイン元被告はアンドルー元王子の元妻とも近い関係にあり、15年間にわたって経済的支援を受けた可能性がある。この元妻は同じ2010年、エプスタイン元被告に対し、「あなたの寛⼤さと優しさへの愛と感謝は⾔い表せない。あなたの役に⽴ちたい。結婚して」などとメッセージを送っていた。
弟とその元妻もエプスタイン元被告と強く結びついていたことを否定できなくなったチャールズ国王は、アンドルー元王子が逮捕されたとの報道を受けたコメントで捜査当局に「全面的な支援と協力を惜しまない」と強調。捜査は適切に進んでいるとも表明した。

