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「体重110キロが50キロ台になって…」減量のため胃の9割を切除したブル中野の壮絶な復食生活…術後メシを支えたのは“極悪同盟”のあの盟友

「体重110キロが50キロ台になって…」減量のため胃の9割を切除したブル中野の壮絶な復食生活…術後メシを支えたのは“極悪同盟”のあの盟友

大病が発覚し大手術を行なっても、それを克服して現在は元気いっぱいに活動する著名人は少なくない。彼、彼女たちはなぜ見事なカムバックを果たすことができたのか。その秘訣は“食”にあった。手術後に食した感動の味、“術後メシ”にスポットを当て、食と健康について考える当連載。

 

「極悪同盟」などでヒールとして女子プロレス界を牽引したブル中野さんは引退後、「スリーブ手術」によって胃の9割を切除。術後、食で大きな苦労をするブルさんを救ったのは、あの盟友だった。〈前後編の前編〉

術後半年はほぼ何も食べられず…

「スリーブ手術」とは、胃の大部分を切除して食事量を制限する、現在日本で主流となっている減量手術だ。

ブルさんがこの施術に踏み切ったのは2015年のこと。プロレス引退の直接的原因となった左ひざ靱帯の断裂から18年、ブルさんのひざは限界に達し、歩行困難になるほどだった。

この時の体重は約100キロ。人工関節を入れるにもこの体重では術後のリハビリにひざが耐えられない。かといって、術前に減量をしようにも膝が悪くて運動自体がままならない。そんな状態でブルさんが決意したのが、一般にはほとんど認知されていなかったスリーブ手術だった。

「芸能界では小錦(八十吉)さんくらいしか当時は症例がなかったですが、私は手術自体に抵抗はありませんでした。親は『なんで病気でもないのに胃を切るの?』ってすごくビックリしていて、私が『この先の人生、自分の足で歩いて楽しい生活を送るためにやるんだよ』と説得してようやく納得してくれました」(ブル中野。以下同)

しかし、胃の9割を切除してささみ1本分くらいにまで小さくする大手術だ。当然、かつての食生活に戻れないことは覚悟していたが、その苦しみは想像以上だった。

「手術の2日後に退院しましたが、当初は食べるのはもちろん、水分補給だってペットボトルのキャップに入れた水をちょっとずつ飲むのがやっと。それでもよく吐いてましたね」

飲みたいけど飲めない。その辛さは想像を絶する。「無理に飲むと吐いてしまうけど、のどは渇く。それがスリーブ手術で一番辛い。あのときの願いは冷たい水をゴクゴクと一気飲みすることでした」とブルさんは当時を振り返る。

量より質に変化した食生活

一方で、満足に食事ができないことへのストレスは、思いのほか少なかった。

「実際に食べたいけど食べられなくて鬱になる人もいるなか、私は大丈夫でした。先生からは食べられるなら食べたほうがいいと言われていましたが、吐くのはイヤ。そうやって食べないでいたら空腹感に慣れて、そのうち空腹を感じなくなっていって。

栄養補給はサプリとプロテインがメイン。術後半年でようやく豆腐やゼリーなどの半固形物を食べられるようになりました。一人前の食事をやっと食べられたのが手術してから9年後だったと思います」

そのような生活をしていけば必然、体重は減る。1年間で40キロの減量に成功し、現在もその体重はキープしているそうで、ブルさんは「体重50キロ台は小学生以来です」と笑う。

今では空腹を感じるようになったというが、“食べる順番”には大きな変化があったという。


「いまだに食べられる量は圧倒的に少ない。だからお医者さんにはタンパク質などを多く含んだ栄養価の高い魚や肉を最初に食べて、できればその後に糖質。サラダなど野菜は最後、むしろ食べなくても大丈夫と指導されました。

一般的に野菜は摂ったほうがいいですが、私の場合、それでお腹いっぱいになってしまったら本末転倒。この小さくなった胃で効率よく栄養を摂取するには主食を優先して、野菜で得られる栄養はサプリなどで補うほうがいいんです」

現役時代から引退後も暴飲暴食、目の前に出されたものをとにかく食べるといった生活を送ってきたブルさんだったが、胃を9割失って、食生活は量より質へと変化していった。

「若い頃は栄養を考えず、ただ体を大きくするため、お腹いっぱいになるためにがむしゃらに食べてました。今は58歳という年齢に合った、質のいいものを少しずつおいしく食べる食生活ができていて、自分でもかっこいいと感じています。

防腐剤など余計な添加物が入っている食品や、ホルモン剤が使われている牛肉などは今じゃ絶対に口にしません。引退後、プロゴルファーに挑戦する過程でダイエットをして栄養学やカロリーについて知識はありましたが、スリーブ手術によって食の質について詳しく調べるようになりましたね」

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