警視庁は2月20日、衆院選に東京7区(渋谷区、港区)から国民民主党公認で出馬し落選した新人の入江伸子容疑者(63)ら3人を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。フジテレビ社員出身の入江容疑者は東京都議を2期務めており、政治経験がありながら選挙の基本的なルールを破った疑いで逮捕されたことに驚きが広がり、国民民主党の候補の“質”にも厳しい目が向けられている。
「港区の経営者には顔が広かった」
他に逮捕されたのは渋谷区のSNSマーケティング会社「BuzzSell」社長の菅原京香(25)と千代田区の会社社長・佐藤芳子(63)の両容疑者。
「入江容疑者は1月27日公示の衆院選の4日前に公認が決まると菅原容疑者に選挙スタッフ集めを依頼。菅原容疑者はBuzzSellのインターン学生らを集め、ビラ配りの報酬などとして1万円の日当を払った疑いがあります。この金は入江陣営の会計担当者だった佐藤容疑者がBuzzSellの口座に振り込んだようです。
逮捕容疑は5人への計27万円の支払いですが、10人以上に計45万円を支払った疑いがあります」(社会部記者)
選挙運動はボランティアが基本で、ウグイス嬢など定められた人以外への報酬支払いは禁じられている。学生らも立件される可能性がある。
「逮捕直後、SNSでは『入江候補はボランティア集めを頼み、菅原容疑者は公選法を知らずに常識の範囲内でお礼を渡しただけでは』と擁護するポストもありました。しかし菅原容疑者が学生らに『このことは言わないで』と口止めしていたと関係者が供述していることが明らかになり、そうした声も消えました」(同)
入江容疑者は1994年にアフリカでの航空機事故で殉職したフジテレビ特派員の妻で、事故後フジに入社。2017年に東京都議選に出馬し退職している。港区選挙区から都民ファースト公認で立候補し当選、21年に再選された。元同僚議員が話す。
「セレブを鼻にかけてましたね。新人の時から2千万~3千万円もする高級外車を運転して、さすがに注意されていたようです。
議員の実績? いや、何もない印象ですね。港区の経営者には顔が広かったかな。よく古巣のフジテレビの日枝さん(日枝久元会長)や社長と親しいと自慢してました」
都民は入江容疑者を「裏切り者」
2人の息子がともに東大を出たとアピールし、都議時代には「賢い子」を育てたと誇る内容の本を2冊出版。2期目が終わった昨年、都民ファから国民民主党に移る。その行動を都民ファ関係者が語る。
「彼女は裏切り者です。昨年6月の都議選でも党(都民ファ)は当初彼女の公認を決めていました。しかし突然出馬をやめ、自分の後継者は国民民主党の人だと言い始めたんです。
都民ファと国民は友好関係にあり候補者調整と選挙協力もします。その中で港区は候補を都民ファに一本化し、その議席にいたのが入江氏でした。これを彼女は勝手に国民民主に譲り渡した形で、引き換えに国政進出のため国民民主に入れてもらったんです。彼女の画策通り都民ファは港区に候補者を立てられず国民民主の議席になりました」(関係者)
移った先の国民民主党関係者によると、入江容疑者は昨年7月の参院選出馬を狙ったが、かなわず衆院選に回されたという。
「党内の評判は冷ややかで、ベテラン議員から『あいつは出すな』と相当反発があったみたいです。そもそも都議になれたのも(都民ファへの)風に乗っただけでしょう。
衆院選は突然決まりましたが、スタッフが足りずにボランティアを募ったのは志を持つ仲間を集める実績も彼女になかったからです。強制捜査がこんなに早く入ったのをみると陣営の誰かが当局にチクって証拠も渡しているんでしょう」(党関係者)

