中日が、次期監督に地元のスーパースター、元マリナーズのイチロー氏(52)を招聘するため調査を本格化させた。
今オフにも読売が切る最強カード「松井巨人監督」への対抗策とみられる。「読中戦争」が再び燃え上がる!
キャンプインを前に、中日ドラゴンズに大きな動きがあった。イチロー氏(シアトル・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の監督担ぎ出し計画が発覚したのだ。
中日は1月28日、春季沖縄キャンプに臨時コーチ兼選手としてソフトバンクホークス、MLBで活躍したBCリーグ栃木の川﨑宗則内野手(44)が参加すると発表した。
期間は2月2~6日の5日間。なぜ川﨑のキャンプ参加が、イチロー氏の監督招聘に結びつくのか。
スポーツ紙デスクが、次のように解説する。
「野球人として川﨑が最も敬愛するのがイチロー氏。一本独鈷を貫くイチロー氏が唯一心を許し、かわいがっている後輩が川﨑。その大事な弟分が中日のユニホームを着るとなれば、協力は惜しまないでしょう。“将を射んと欲すればまず馬を射よ”。そこが狙い」
「ムネリン」の愛称で知られる川﨑は2000年にダイエー(現ソフトバンク)に入団。
盗塁王や最多安打のタイトルなど、投打で若鷹軍団を支えた。
’06年、’09年のWBCではイチロー氏と共に侍ジャパンの連覇に貢献した。
その後、川﨑は思い切った行動に出る。
「イチローさんと一緒のチームでプレーしたい」と、海外FA権を取得するのを待って’12年1月にマリナーズと契約した。
夢はかなったが、肝心のイチロー氏が同年7月にヤンキースに移籍し、同チームでのプレーは限定的に終わった。
しかし、中日で再び夢がかなう可能性が訪れた。
イチロー氏にとって中日は地元球団。
愛知県豊山町に実家があり、高校は名古屋の名門、愛工大名電。外野手(2年夏)と投手(3年春)で甲子園に2度出場している。
大谷翔平ばりの“二刀流”だった。
今なお名古屋では絶大な人気を誇るが、ドラゴンズとは良好な関係ではない。
ドラフト(1991年)で肩透かしを食ったトラウマがあるからだ。
当時、中日のイチロー担当スカウトは「打者として能力が高く、ドラフト1位の器」と進言したが、球団上層部は「投手での評価」から5~6位で指名する戦術に。
その間に名将・仰木彬監督の慧眼でオリックスが4位で指名。中日は地元の大魚を逃した。
そのイチロー氏は日米通算4367安打の大記録を樹立し、MLBの殿堂入りも。
ファンの球団への怒りは今なお続く。
そんな事情もあり、中日は’18年1月、マーリンズからFAとなり、キャンプイン後も所属球団が決まらなかったイチロー氏に獲得オファーを出したが、イチロー氏は淡々と封殺。
古巣マリナーズ復帰を選んだ。
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対抗するには、イチロー監督以外にない
現状では中日がイチロー氏に監督を要請しても受諾の可能性はゼロに等しい。
だからといって尻込みするわけにはいかない事情がある。「読中戦争」だ。
愛知、岐阜、三重の中部エリアで圧倒的シェアを持つ中日新聞と日本最大の発行部数を誇る全国紙・読売新聞の部数拡張戦争は長らく続いてきたが、今季の中日はかつてないほど危機感を抱いているという。
「読売が今オフに松井秀喜(51、ヤンキースGM付特別アドバイザー)監督という最強カードを切ることが確実になっているからです。これに対抗するには地元のスーパースター、イチロー監督以外にない」(中日グループ関係者)
イチロー氏は松井氏(石川・星稜高)の1学年上。
キャラの違いから、かつては深い溝があったとされるが、ここにきて急接近。
昨年8月のイチロー氏が率いるアマチュア野球チーム「KOBE CHIBEN」と高校女子選抜の試合(読売主催、バンテリンドーム)では松井氏が「4番・センター」で出場し、決勝の3ランを放った。
その返礼なのか、松井氏が翌月に石川県七尾市で開いた野球教室(松井氏が代表理事を務めるNPO法人主催)にはイチロー氏が駆けつけ、能登半島地震の被災地支援に一役買った。
2人が見据えているのは巨人、中日監督の連携。日本球界全体の盛り上げだ。
では「川﨑を誘い水としたイチロー監督」の絵を描いているのは誰か。
本誌が入手した情報によれば、現中日監督の井上一樹氏(54)という。
今季が2年契約の最終年。
しかし、今季中に次期イチロー政権への大きな道筋を付けられれば、1年延長は確実となり、政権交代後も球団幹部で影響力を保持できる。
その最大の難工事が大黒柱・イチロー監督を支える梁柱の建設だ。
イチロー氏は人気もキャリアも特級品だが、発言が崇高過ぎて、その言葉の意図を読み解くのが難しい。
イチロー氏自身も「監督に不向き」なことは熟知している。’19年の現役引退会見で「将来の監督」について問われると「監督は絶対無理。人望がないんですよ、僕」と語った。
「イチロー氏には、彼の特異な言い回しを理解し、噛み砕いて他人に渡せる通訳がいないと機能しない。それができる唯一の人物が川﨑。井上監督は鹿児島商業高、川﨑は鹿児島工業高の出身。実は郷里が一緒で長く親交があり、ピンときたのではないか」(中日OB)
どんな形であれ、川﨑を今季の中日に先乗りさせるのが第一歩。
その上で、来オフのイチロー政権発足に備える。
用意は万端だ。
「週刊実話」2月19日号より
