
学生時代に、誰かを好きになったかもしれません。
そんな中で、自分は「本気で好き」なのに、相手からは友達扱いされているなんてこともあるでしょう。
一方で、ただ親切にしていただけなのに、相手が「自分に気があるのでは」と本気にしてくる、というすれ違いもあります。
ノルウェー科学技術大学(NTNU)の研究チームは、こうした恋愛のすれ違いが、思春期のどの段階で現れるのかを調べました。
その結果、「本気なのに友達扱いされる」経験は男子で多く、女子ではとても少ないことが分かりました。
本研究は2025年に学術誌『Evolution and Human Behavior』に掲載されています。
目次
- 「本気なのに友達扱い」された経験のある女子はたったの3%
- 思春期に深まっていく「男女の恋のすれ違い」
「本気なのに友達扱い」された経験のある女子はたったの3%
大人を対象とした研究では、昔から次のような傾向が知られてきました。
男性は、女性の親切を「自分への好意」と受け取りやすく、女性は、男性の好意を「ただの親切」と受け取りやすいといった傾向です。
では、高校生ではどうでしょうか。
16歳の時点ですでに同じ傾向があるのでしょうか。それとも、16〜19歳の間に少しずつ形作られるのでしょうか。
研究チームはそこを確かめようとしました。
調査は、ノルウェーの高校生1,290人(16〜19歳、異性愛者)を対象に行われました。
参加者は、過去12か月間に次のような経験があったかどうかを答えました。
- 「ただ親切にしていただけなのに、相手が自分に気があると本気にしたことがあるか」
- 「自分は本気で好意を示したのに、相手がただの親切だと受け取った(友達扱いされた)ことがあるか」
この2種類の“すれ違い”が、年齢と男女でどう違うかを比べたのです。
結果ははっきりしていました。
女子で「ただの親切なのに本気にされた」と答えた割合は、16歳では7%でした。
ところが年齢が上がるほど増え、19歳では25%にまで増えていました。
一方で、「本気なのに友達扱いされた」と答えた男子は、16歳から19歳までおよそ13%でほぼ変わりませんでした。
そして女子はわずか3%でした。
より詳しい年齢ごとの動きや、なぜこうなるのかを次項で見ていきます。
思春期に深まっていく「男女の恋のすれ違い」
まず一番目立つのは、「本気なのに友達扱いされる」経験の男女差です。
男子では約13%が経験しているのに対し、女子は約3%にとどまっていました。
この差は16歳の時点ですでにあり、その後も大きく変わりませんでした。
言い換えると、高校生の段階でも、男子のほうが「本気なのに流される」場面に出会いやすい、ということです。
逆に女子は、「本気なのに友達扱いされる」ことがかなり少ないといえます。
一方で、「ただの親切なのに本気にされる」経験は、女子では年齢とともに増えていきました。
16歳では少なかったのに、17歳頃から目立ち始め、19歳では「クラスに何人もそういう経験をした女子がいる」くらいまで増えています。
これは、男子が思春期の途中から、女子の行動を「好意かもしれない」と読み取りやすくなる可能性を示しています。
言い方を変えるなら、16歳ではまだ控えめだった「読み込み」が、17歳以降に強くなっていく、という流れです。
さらに個人差も調べた結果、カジュアルな恋愛に前向きな傾向が強い人ほど、「ただの親切なのに本気にされる」経験が増えやすいことが分かりました。
また男子に限っては、「自分は魅力的だ」と思っている人ほど、ただの親切が本気として受け取られやすい、という結果も出ています。
一方で、交際中かどうかや性経験の有無と、こうしたすれ違いのあいだには、はっきりした関係は見つかりませんでした。
この研究が示した大事な点は、恋愛のすれ違いが「最初から完成している性格の違い」ではなく、16〜19歳の間に少しずつ形作られていく可能性がある、ということです。
だからこそ、すれ違いを減らすには、相手の気持ちを勝手に決めつけすぎないことが大切です。
逆に、好意があるなら、「できるだけ分かりやすく伝える」ことが大切かもしれません。
参考文献
Girls rarely experience the “friend zone,” psychology study finds
https://www.psypost.org/girls-rarely-experience-the-friend-zone-psychology-study-finds/
元論文
Adolescent development of sexual misperception biases: females increasingly overperceived, males consistently underperceived
https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2025.106758
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部

