日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、「火(ひへん)」に、「扇(おうぎ)」という字が組み合わさった、勢いを増す動作を表す漢字です。
最近では、ネット用語や交通マナーの話題でネガティブな文脈で見かけることが多いですが、もともとは風や火の動きを表す言葉です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
正解は「あおる」です。
【煽るの語源と漢字の由来】
「煽る(あおる)」は、火を燃え立たせたり、風が物を動かしたりする様子を表す動詞です。
漢字の「煽る」の成り立ちには、火を扱う知恵が反映されています。「火」は燃え盛る火を、「扇」はうちわや扇子(せんす)を指します。
つまり、「火に扇で風を送り、勢いを強くする」という動作そのものを表した漢字です。そこから転じて、感情を刺激して特定の行動へ向かわせることや、風が吹いて物がバタバタと動く様子を指すようになりました。
語源としては、風を起こすことを意味する「仰(あお)ぐ」と同根であると言われています。
【百花の王! 煽る(あおる)のトリビア】
●「あおり運転」の定義
近年社会問題となっている「あおり運転」は、2020年の道路交通法改正で「妨害運転罪」として厳罰化されました。車間距離を極端に詰めるなどの行為がこれに該当します。
●「ネット用語」としての煽り
掲示板やSNSなどで、相手を怒らせたり、議論を激化させたりする目的で行われる書き込みを「煽り」と呼びます。かつてのネット掲示板では「煽り耐性」という言葉も流行しました。
●購買意欲を煽る
マーケティングの世界では、「限定10個!」「今だけ半額!」といったキャッチコピーで消費者の「欲しい」という感情を刺激することを「購買意欲を煽る」と表現します。
●「煽り」は写真の技法にも
カメラを低い位置から上向きに構えて撮影することを「煽り(アオリ)で撮る(ローアングル)」と言います。被写体を大きく、威厳があるように見せる効果があります。
●「おだてる」との違い
どちらも相手の感情を動かす言葉ですが、「おだてる」は相手を褒めていい気分にさせるニュアンスが強いのに対し、「煽る」は火に風を送るように勢いを激しくさせるニュアンスが含まれます。
