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【W杯回顧録】第3回大会(1938年)|「勝利、もしくは死を」連覇イタリアを巡る衝撃の噂と真相。開催国フランス、ドイツが敗退…波乱だらけの祭典に

【W杯回顧録】第3回大会(1938年)|「勝利、もしくは死を」連覇イタリアを巡る衝撃の噂と真相。開催国フランス、ドイツが敗退…波乱だらけの祭典に


 北中米ワールドカップが6月11日に開幕を迎える。4年に一度、これまでも世界中のサッカーファンを魅了してきた祭典は、常に時代を映す鏡だった。本稿では順位や記録の先にある物語に光を当て、その大会を彩ったスター、名勝負、そして時代背景などをひも解いていく。今回は第3回大会(1938年)だ。

――◆――◆――

●第3回大会(1938年)/フランス開催
優勝:イタリア
準優勝:ハンガリー
【得点王】レオニダス(ブラジル):7得点
 
 1936年、ベルリン五輪が閉幕して間もなく当地で開かれたFIFA総会で、第3回ワールドカップの開催国が決まった。

 23か国が投票に参加してフランスが19票、アルゼンチンは3票。当時FIFA会長を務めていたジュール・リメの母国が圧倒的な得票で選ばれた。一方で自国開催を確信していたアルゼンチンは、この結果を不服として不参加を表明。初代王者のウルグアイも前回に引き続きエントリーしなかった。

 この大会の地域予選は1~9組までが欧州、10、11組がアメリカ大陸、12組がアジアと全12グループに分けて争われ、10組ではアルゼンチン、11組は実に6か国が棄権したため、それぞれブラジルとキューバが戦わずして出場権を獲得。12組では初エントリーの日本がオランダ領東インド(現インドネシア)と競うことになっていたが、日中戦争の勃発で出場を断念した。

 また前回大会で王者イタリアと死闘を演じたスペインも、内戦が激化したために参加を見送り、開催年の3月にはドイツがオーストリアを併合。必然的にオーストリアは不参加となり、代わりに最強の「ブンダーチーム」と恐れられたチームから5人がドイツ代表に加わることになった。

 当然、ドイツは一躍有力な優勝候補に浮上するが、初戦でスイスに思わぬ苦戦。1-1で引き分けて、5日後の再試合に臨むが2-4で敗れて早くも大会を去った。

 前回王者のイタリアは、引き続きヴィットリオ・ポッツォが指揮を執っていたが、世界制覇直後から積極的な新陳代謝を敢行。前回経験者はジュゼッペ・メアッツァ主将とジョバンニ・フェッラーリの2人だけで、逆にセリエAで歴代通算最多の274ゴールを積み上げていくシルヴィオ・ピオーラや守備の達人ピエトロ・ラーヴァらを加え、よりスピーディーで強力なチームに仕上がったと高評価を得ていた。

 連覇を狙うイタリアは、準々決勝でフランスと対戦。パリのコロンブ・スタジアムには大会最多の5万8455人が詰めかけた。7か月前には0-0で引き分けたカードは、案の定拮抗した展開が続き前半を1-1で折り返すが、後半に入るとイタリアのエースのピオーラが2ゴールと畳みかけて突き放す。第1回はウルグアイ、第2回もイタリアと開催国が連続優勝してきたので、歴史上初めて開催国が敗れた。

 だが準決勝では、さらに難敵が待っていた。自国でプロリーグが創設され、初めてベストメンバーを送り込んできたブラジルである。

「黒いダイアモンド」と呼ばれるレオニダスは、すでに準々決勝までの3試合で5ゴールを挙げていた。ところが準々決勝のチェコスロバキア戦が「ボルドーの戦闘」と語り継がれるほどの乱戦になり、両チーム合わせて3人の退場者が出た末に引き分け。負傷者も重なり2日後の再試合ではブラジルが9人、チェコスロバキアも5人の選手を入れ替えて臨み、辛うじてブラジルが2-1と逆転勝利で準決勝に進んでいた。
 
 3日間で210分間を戦い抜き、確かにブラジルは疲弊していた。だがさすがにブラジルのアデマール・ピメンタ監督の選択には大きな疑問が残った。大会得点王のレオニダス、さらには圧倒的に足技に長けた相棒のティムら主力を決勝に備えて温存してしまうのだ。

 イタリアは、51分にコラウッシが均衡を破ると、60分にはピオーラへのファウルで得たPKをメアッツァが決めてリードを広げる。その後は焦るブラジルが攻勢に出ると、堅守から時折りカウンターを仕掛ける得意の展開に持ち込む。終了間際に1点を失うが、危なげない勝利で決勝へ進んだ。まだ交代が許されない時代だった。スタメンから外れた選手たちは、ただ推移を見守ることしかできなかった。

 イタリアが連覇をかけてファイナルで戦ったのは、ハンガリーだった。ハンガリーは組み合わせに恵まれ3試合連続して危なげない試合運びで勝ち進み、ランスからリール、そしてパリという移動スケジュールも比較的楽だった。

 決勝戦はオープンな展開となった。開始6分、イタリアは、メアッツァからコラウッシへと繋げて先制。しかしハンガリーも2分後には、ジェルジ・シャローシのクロスをバール・ディトコシュが頭で合わせて追いつく。
 
 だがイタリアは、16分、ピオーラが起点となり、フェッラーリからのリターンを受けると2点目。35分にはコラウッシの3点目が生まれて3-1で前半を折り返した。

 イタリアは確実にゲームを支配し始めていた。一時は1点差に詰め寄られるが、コラウッシやフェッラーリがスピーディーな攻撃を繰り出し再三チャンスを築いていく。こうした流れから82分にピオーラがダメ押しの4点目を決めて決着をつけた。

 実は決勝戦の前には、独裁権力を誇示するベニート・ムッソリーニからチームに「勝利、もしくは死を」という電報が届いたという噂が流れた。ハンガリーの守護神アンダル・サボーは、試合後に「オレたちは4点も取られたけど、それで彼らの命を救ったんだ」と語ったそうである。

 だが優勝メンバーでは最長寿で90歳まで生きたラーヴァが噂を打ち消した。

「ただ幸運を祈ると記されていただけだよ」

 イタリアは連覇を遂げ、ポッツォ監督は今でも唯一のワールドカップを2大会連続で手にした指揮官である。

 因みにジュール・リメ・トロフィーは、後にイタリア連盟副会長になるネットリーノ・バラッシがローマの銀行から自宅に持ち出し、ベッド下の靴箱に隠して置いたため、第二次大戦を経ても無事で12年間を経た大会再開後も引き継がれていくことになる。

文●加部究(スポーツライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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