●デスクトップユーザーにもAIの恩恵を
クラウド版「弥生会計Next」のリリースで、デスクトップ(DT)からクラウドへの移行を強めるのかと思いきや、DTには依然として根強いニーズがあるという。「慣れたUIやサクサクした操作感、通信環境がない環境でも使える安心感などの声が大きい」と武藤社長は語る。
DT製品の市場シェアは約6割で、新規ユーザーの約4割がDT製品を選んでいる。有償契約数も減少しておらず、むしろ増加傾向にあるという。
一般的に、「AIが使えるのはクラウド版だけ」というイメージがあるが、弥生ではこうしたニーズも踏まえ、DTユーザーにも最適な形でAIの恩恵が受けられるようにするという。
つまり、26年はクラウドとDTのプロダクトの両面で、またグループや組織の全方位でAI・データを導入していく方針だ。
●「SaaSの死」への見解は?
SaaSの死について武藤社長は次のように述べた。
「弥生の価値は、データを持ち、お客様に信頼されたブランドであること。人間に代わってAIエージェントが、A社ではなく弥生を使うのは、弥生ならデータは守られており、会計基準も守られて数字も正確だから。ハルシネーションもなく、信頼できる。
また、弥生がデータを持っているからこそ、自社の状況を踏まえたアドバイスが可能になる。弥生のデータと信頼が強みになる」。
さらに、「高機能SaaSと弥生ソフトの比較は差別化にならない」とも続ける。
「弥生のユーザーは従業員20人以下の中小企業が多い。そうしたユーザーが複雑な機能を求めているわけではない。だから弥生ソフトは機能をできるだけシンプルにしている。今回のSaaSの死で打撃を受けるのは高機能SaaSだろう。われわれにとってそこは今も差別化になっていないし、今後AIエージェントの世界になっても変わらない」との見解を述べた。

