プロ野球キャンプ、ミラノ・コルティナ冬季五輪…2月はスポーツの話題が盛りだくさん。3月はWBC。球界ネタが続く中、突如、次期巨人監督候補が注目を集めている。元スポーツニッポン敏腕記者・吉見健明氏が渾身取材で入手した初めて記事にする「幻のスクープ」!
球春到来。2月の声とともに各球団がキャンプに入り、今年のプロ野球界が動き出した。3月には『ワールド・ベースボール・クラシック2026』(WBC)が控えるなど、野球界全体が盛り上がることは間違いない。
ところがそんな中、キナ臭い噂が球界をザワつかせている。読売ジャイアンツの次期監督の座を巡って、水面下で激しい動きが起きているというのだ。
現在の巨人監督は阿部慎之助。今年は3年契約の最終年ということもあって、春キャンプで宮崎入りした1月31日、「2012年以来の日本一を目指したい」とペナントにかける意気込みを口にしているが、実はすでに自身の“引き際”を決めているという。
「阿部は昨夏、親しい友人に対して『来年は勝っても負けても契約を終えて辞める』と、再契約を拒否する意向を漏らしているんです。昨シーズンも優勝は逃していますが、これは背水の陣の心境ではなく、有終の美。本気で監督から退くつもりのようですね」
こう明かしてくれたのは巨人の内情に詳しいメディアの元幹部。阿部は現役時代から結果に強い責任を背負う性格で知られており、球団内部でもシーズン終了後の監督交代は既定路線となっているという。
となれば、焦点になるのは次期監督だが、現時点で最有力とされているのは間違いなく“ゴジラ”こと松井秀喜だろう。
「松井は人が良いから、阿部に気を遣って監督就任の話題に関しては一切口にせず、マスコミにも『阿部監督を応援しています』と公言しています。それでも、長嶋さんの遺志もありますから監督就任の腹は固めているようです」(巨人OB)
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原はゴジラ松井の監督就任には猛反対
昨年6月に逝去した“ミスタープロ野球”長嶋茂雄終身名誉監督の「遺言」は、愛弟子・松井の巨人監督就任とみられる。
松井は引退後も米国に拠点を構え日本球界から距離を取ってきた。これは、メジャー行きを巡って“読売のドン”渡邉恒雄氏と決裂したためで、「ナベツネさんが存命の間は絶対に読売には帰らない」と頑なだった。
しかし、最大の障壁だった渡邉氏も一昨年末に亡くなっており、順当に考えれば阿部の後任監督は松井で決まりである。
ところが、ここにきて巨人関係者の間で次期監督候補として急浮上してきた名前がある。“昭和の怪物”江川卓である。1987年に引退して以降、これまで一度も巨人のユニホームを着たことはない。
それでも、筆者は「江川監督」実現の可能性は決して低くないと確信している。それは46年前に筆者があえて書かなかった「幻のスクープ」があるからだ。
江川の名前が挙がっているのはなぜか。そこには今の巨人が抱える内部事情が影響している。まず有力視されている「松井監督」だが、実はまだ最後の障壁が残っている。今の巨人の監督人事に絶大な発言力を持つ前監督・原辰徳だ。
原は読売ジャイアンツのオーナー付特別顧問の肩書で院政を敷いており、自分の監督時代に説得を振り切ってメジャーに移籍してしまった松井の監督就任には大反対しているのだ。
「原は生前のナベツネさんや今の山口寿一オーナーに『帰って来たくないと言っているのだから、もういい加減、松井にこだわることはない』と進言してきましたからね。松井には『ジャイアンツ愛』がないと思っているのでしょう」(元巨人球団幹部)
そして、この原の院政は松井以外の監督候補にも影響をきたしている。昨年、二軍監督だった桑田真澄が辞任した経緯も、原の意向によって実質的に追放されたようなものだ。
「山口オーナーは阿部の後に桑田を昇格させる構想を持っていたんです。ところが、原は山口オーナーと会談した席で桑田昇格案に大反対した。この動きを事前に察知した桑田は自分から辞任、退団したのが真相ですよ」(同)
落合が江川を監督に推薦か
巨人には監督候補としてもう一人、有力な人物がいる。高橋由伸だ。彼の再登板も注目されているが、この由伸も原との確執を抱えている。原は由伸が指揮を執っていた当時、渡邉氏に「由伸では勝てない。私にやらせてください」と直訴し、由伸に代わって監督の座に返り咲いた経緯がある。
「もともと、球団側が由伸に監督就任を要請した際、本人はまだ現役続行を希望していた。そこを強引に引退させた負い目もあって、球団側は由伸をじっくり監督として育てる計画だった。それが原の越権行為でご破算にされてしまった。山口オーナーは由伸に『もう一度チャンスを与える』と約束しているんですが、やはり原の存在がネックになっているようです」(同)
ここまでくればもうお分かりだろう。松井、桑田、由伸と有力な監督候補は、ことごとく原との確執によって難しい状況にある。そんな中、消去法によって浮上してきたのが江川というわけだ。
昨夏に阿部の後任問題が浮上した際、筆者は山口オーナーが側近に「次期監督は松井でも、由伸でもない」と話していたという情報をキャッチし、取材に動いている。本命と見込んだのは元中日監督の落合博満で、落合に近い元プロ野球幹部にアプローチした。結論から言えば、監督就任はなさそうだったが、そこで意外な情報を入手した。
「表向き落合は『要請がきたら考える』と言ってるけど、健康問題もあるし監督を受けるつもりはないようだね。ただ、落合は巨人監督に江川を推していたよ。中日の監督時代にも『江川を投手コーチで呼びたい』と言っていたくらい、以前から江川の野球理論を高く評価しているからね」
もちろん、それだけで江川監督が実現するわけではないが、筆者にはもう一つ確信がある。それは、江川が入団時に巨人と交わしていた“密約”の存在だ。
