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福井市が挑むZ世代と創るまちづくり クリエイトフクイプロジェクトの挑戦

近ごろ、「若者の声をもっとまちづくりに」という言葉を耳にする機会が増えました。けれど実際に、若者が行政の中に入り、職員と肩を並べて課題に向き合う場面は、まだそう多くはありません。

福井市で行われた「クリエイトフクイプロジェクト」は、その一歩を確かに形にした取り組みです。高校生や大学生、若い社会人などZ世代の若者たちが市役所の各課に分かれ、公民館の活性化や防災、結婚支援、農業、スポーツの魅力発信など、身近なテーマに挑戦しました。SNSを活用した発信も多く、若い感性がそのまま形になっているのも特徴です。

まちづくりは、どこか「大人が決めるもの」というイメージがつきまといがちです。しかし、自分たちの言葉やアイデアが市政に反映されるとしたら、まちはぐっと身近な存在になります。福井市が示したのは、そんな“他人事ではないまちづくり”の可能性でした。

このプロジェクトがどのように始まり、どんな挑戦が行われ、参加した若者たちにどんな変化をもたらしたのか。その背景にある想いとともに、ひも解いていきます。

なぜ福井市はZ世代と本気で向き合ったのか

「クリエイトフクイプロジェクト」は、外部から持ち込まれた企画ではありません。福井市役所の若手職員チームが、「もっと若者の声を市政に取り入れたい」と考えたことから始まりました。2025年度にスタートし、公募で集まったZ世代の若者たち42人が“福井市Z世代クリエイター”として参加しています。

行政の取り組みというと、計画や制度が先にあり、市民は“利用する側”に回ることが一般的です。しかしこのプロジェクトでは、若者が最初から“当事者”として関わります。市役所の7つの課に分かれ、職員と一緒に地域の課題を考え、アイデアを出し、形にしていく。そこには、若者の意見を聞くだけでなく、実際に任せるという姿勢が見えます。

「若者の意見を取り入れる」と言葉にするのは簡単ですが、実際に仕組みとして動かすのは決して容易ではありません。市の各課に配属され、具体的なテーマに取り組むという形をとったことは、福井市が本気で若者と向き合おうとしている証でもあります。

参加した42人は、ただアイデアを出すだけではなく、企画や発信まで担いました。市役所の職員と連携しながら、地域の課題に取り組む過程は、若者にとっても新しい経験だったはずです。そしてそれは同時に、行政にとっても新しい風を受け入れる挑戦だったと言えるでしょう。

若者の声を“参考意見”で終わらせず、プロジェクトとして動かす。その背景には、これからのまちづくりは世代を越えて共に考えるものだというメッセージが込められているように感じます。

7つの挑戦が示した“福井市の本気”

今回のプロジェクトでは、福井市の7つの課に若者が配属され、それぞれのテーマに取り組みました。ただ数が多いというだけでなく、内容の幅広さにも驚かされます。お祭りの広報、防災教育、認知症への理解促進、結婚生活の魅力発信、農業のPR、市政情報の発信、そしてスポーツの魅力紹介まで。まさに“まち全体”がフィールドになっています。

まず目を引くのは、SNSを活用した情報発信の取り組みです。商工労政課ではフェニックスまつりの広報を若者目線で企画し、撮影からInstagram投稿までを担当しました。広報プロモーション課やスポーツ課でも、TikTok動画の企画・撮影・編集を行い、若年層に向けて市政やスポーツの魅力を届けています。単に内容を伝えるだけでなく、「同世代にどう届くか」を考えながら発信している点が印象的です。

一方で、防災や認知症、結婚生活といった“暮らし”に直結するテーマにも挑戦しています。

生涯学習課では、若者が楽しめることを重視した防災ゲームの制作に取り組み、実際に高校生向けの体験会も実施しました。地域包括ケア推進課では、介護施設での体験や当事者との意見交換を通して得た学びをもとに、認知症への理解を広める企画を行っています。

女性活躍促進課では、若者自身がリポーターとなって結婚生活を営む家庭を取材し、Instagramで発信しました。

さらに、農政企画課では農業体験や就農者との意見交換を経て、パンフレット制作やTikTok動画の作成にも取り組んでいます。若者が実際に体験し、その魅力を自分の言葉で伝えることで、新しい層へのアプローチが生まれています。

このプロジェクトは単なる“若者参加型イベント”ではありません。福井市のさまざまな分野に若者が入り込み、行政と並走しながら具体的な形をつくっている点に大きな意味があります。

広報だけでなく、教育、福祉、産業、スポーツといった多様な領域に挑戦していることが、福井市の本気度を物語っています。

若者の感性や発想が市政の現場でどのように生かされるのか。その可能性が、7つのプロジェクトを通して形になり始めています。

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