(© 2024 CG CINÉMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA)ヨーゼフ・メンゲレという名前を聞いたことがあるでしょうか?
第二次世界大戦中、多くのユダヤ人が犠牲になったアウシュヴィッツ収容所で、非人道的な「実験」を行っていたナチスの医師で、「死の天使」と恐れられていた人物です。
そのメンゲレが戦後、ナチス戦犯として追われる姿を描いた『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が2月27日より公開。ここから人間の思想と悪について考えてみましょう。
■ユダヤ人を「実験」した医師は
(© 2024 CG CINÉMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA)ヨーゼフ・メンゲレは、1911年にドイツで生まれました。ミュンヘン大学やウィーン大学などで学び、人類学と医学の博士号を取得しています。
20歳ごろからナチスに傾倒しはじめ、1937年にナチ党に入党。1943年から約2年間、アウシュヴィッツ収容所に勤務し、「実験」の対象になるユダヤ人を選別していたとされています。
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■逃亡の果てに
(© 2024 CG CINÉMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA)ところが戦後、アウシュヴィッツ収容所に関わった多くの関係者が戦犯として処刑されるなか、メンゲレは逮捕を逃れます。
南米を中心に逃亡を続け、1979年、ブラジルのサンパウロで海水浴中に死亡。1992年のDNA鑑定で、遺骨がメンゲレだと判明したのです。結局彼が、法の裁きを受けることはありませんでした。
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■「悪」を選択し続けて
(© 2024 CG CINÉMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA)本作では、戦後のメンゲレの逃亡劇に焦点を当て、彼の内面を緻密に描き出します。メガホンを取ったキリル・セレブレンニコフ監督は、「彼も“人間的な部分”を持ち合わせているのだという、恐ろしく、不快な真実を直視するため」にそうしたと語りますが、もちろん、「彼を弁護するためではありません」。
実際メンゲレは、自身の行いを「悪」だと思っておらず、職務をまっとうしたにすぎないと訴えます。ですが、彼の知性や能力が、もし別の選択に使われていたなら、まったく異なる人生を歩んでいた可能性もあったでしょう。
人間ならば、誰にでも善と悪が存在し、私たちはどちらを選ぶのか、自分の意思で決めています。最期まで逃げ続けたメンゲレの姿は、思想と判断の積み重ねから「悪」が生まれるのだと伝えているのかもしれません。
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『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』
2月27日(金)よりシネマート新宿ほかシネスイッチ銀座ほか全国公開
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