日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、「魚(さかなへん)」に、「包(つつむ)」という字が組み合わさった漢字です。
コリコリとした食感と濃厚な旨味で、古くから高級食材として珍重されてきた「貝の王様」です。
お祝い事の贈り物に添えられる「熨斗(のし)」のルーツでもあるこの漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
正解は「あわび」です。
【鮑の語源と漢字の由来】
「鮑(あわび)」は、ミミガイ科の大型の巻貝です。
漢字の「鮑」には、その独特な形状と生態が反映されています。「魚」は魚介類であることを表し、「包」は身が殻に「包まれている」様子、あるいは殻が身を包み込むように重なっている姿を表しています。
また、別の説では「包」には「身が厚い」という意味もあり、肉厚な貝であることを示しているとも言われます。
語源については、殻が片側にしかなく、身が「合う」ことがないことから「不合(あわぬ)」が転じたという説や、身が非常に硬いことから「荒身(あらみ)」が変化したという説などがあります。
【磯の王者の風格! 鮑(あわび)のトリビア】
●「熨斗(のし)」の正体はアワビ
お祝い袋についている「のし」は、もともとアワビの身を薄く剥いて引き伸ばし、乾燥させた「熨斗鮑(のしあわび)」を添えていた名残です。アワビは長寿や繁栄の象徴として、最高級の献上品でした。
●「磯のアワビの片思い」
アワビの殻は一枚しか見えないため、二枚貝のように「合わさる相手」がいないことから、一人で思い焦がれる「片思い」の代名詞として万葉集の頃から歌に詠まれてきました。
●「巻貝」の仲間である証拠
一見すると二枚貝の片方のようですが、実はサザエなどと同じ「巻貝」の仲間です。よく見ると殻の端の方がわずかに渦を巻いており、成長するにつれてこの形になります。
●「殻にある穴」の役割
アワビの殻には数個の穴が開いています。これは単なる模様ではなく、呼吸をしたり、排泄物を外に出したり、卵や精子を放出したりするための大切な「窓」の役割を果たしています。
●「足」で岩に吸い付く?
アワビの身の大部分は「足(腹足)」です。岩に吸い付く力は非常に強力で、大人のアワビを無理やり剥がそうとすると、200キロ以上の力が必要になることもあると言われています。
