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冬山をもっと自由に、安全に—星野リゾート トマム「冬山解放宣言」、日本の雪山文化を動かす

安全を巡って

一般的に、雪山における「安全」と「自由」は相反する概念として語られがちだ。しかし、管理されたリゾートでありながら、自然の山としての側面も持つトマムは、その二面性を両立してみせた。

ルールを明確にし、きちんと安全教育をしたうえで「滑る自由」を提示する、その姿勢は、国内スキー場の中でも際立った存在となっている。

「けれど、コース外を開放したり、サイドカントリーと勧めるスキー場は増えているけれど、意外だったのは、コース外を滑る場合はすべて自己責任で、もし事故があっても捜索費や救助費は自費です、としているところがほとんどなんですよね。僕らはコース外でもスキー場負担で動きます。管理区域内であればスキー場に責任があると思っているので。

パトロールとしては、コース外を解放する以上、対応力を備えていないといけません。立ち木衝突の強い衝撃からくる高エネルギー障害の怪我人への応急処置や搬送など、毎年訓練を行っていますし、雪崩の知識や救助の技術も必要ですから、日本雪崩ネットワークの専門家による講習やJANの資格取得も進めています」

安全強化の取り組みには余念がない。以前は着用を義務付けていたビブの返却によって、きちんと下山したかを確認していたが、より安全管理の精度を高めるため、2022年からGPS機能を使った「yukiyamaアプリ」を導入し、滑走者にその使用を義務付けた。

「yukiyamaアプリで人の動きが全部見えるので安心になりました。下山確認だけじゃなくて、どこがよく滑られているかといったデータも得られますよ。ちなみに一番人気のスポットは、ボトムから見て、雲海ゴンドラの右側の『ノーグラビティ』、ここが一番多く滑られているのは確認できていますね。解放されていないはずの木の密なところも人が入っているのがわかってしまって(笑)、見てると面白いですよ。

海外の欧米人に比べればまだ少ないですけど、近年はヘルメットを被る人もずいぶん増えましたし、ビーコンやショベルといったBC装備に対しての認識も高まってきたと思います。そのあたりは、やっぱり我々が先陣を切ってこういった取り組みをしてきたことの一つの効果だとも思うし、すごくいい流れの変化かなと思ってるんです」

冬山解放宣言は、結果として、事故の抑制だけでなく、滑走者の安全リテラシーを向上させ、同時に安全を支える側のスキルアップという二次的な効果も生んでいるのだ。安全とは、管理する側だけが一方的に押し付けるものではなく、使う側と共に支えるもの。その実践例が、ここにある。

アルペン・基礎・モーグル・パウダーバックカントリーと、「全部やる」根っからのスキー大好き人間の大宮さんにとって、このトマムの山での安全を守ることは、自由であることを守ることに他ならないのだ。

もうひとつの顔、CATツアー

冬山解放宣言を両輪で支えるもう一つが「狩振岳CATツアー」だ。このプログラムは、リゾートから20分ほど離れた狩振岳エリアで雪上車を駆って、ありのままの自然の斜面を自由に滑ろうというスペシャルツアー。

標高1,323mの狩振岳は、多様な自然地形が作り出すバラエティ豊かな斜面とドライパウダーの宝庫。爽快なオープンバーンから美しい林の中でのツリーランなどを存分に楽しむことができる楽園のようなフィールドだ。

それをなんと12名で貸切り、圧雪車で快適ラクラクに滑走ポイントまでアクセスし、1本あたりの標高差 約200~500mのランを1日4〜6本滑るのだ。こんな贅沢で幸せな滑走体験を実現した、冬山解放宣言を語るになくてはならない、もう一人の立役者を紹介しよう。

配信元: STEEP

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