息子が「3Dプリンターをもらえるからガレージに置いていいか?」と聞いてきた。なんでも、Instagramで「差し上げます」という投稿があったらしい。業務に使っていた3Dプリンターで、売るとなるとクオリティの保証もしなければならないし、捨てるのにもコストがかかる。そのため「送料さえ持ってくれれば差し上げます」となっており、息子が目ざとく見つけて連絡を取ったそうだ。ほどなく3Dプリンターが家に送られてきた。息子は何を作ろうかと迷っている様子だったので、筆者がちょっと気になっていた問題を解決するための部品を作ってもらうことにした。
Soundcore Workのボタンをカバーするキャップが欲しい
気になっていることというのは、最近製品レビューでご紹介したアンカーの『Soundcore Work』について。

『声を、カタチに』AnkerからAIボイスレコーダーSoundcore Work発売
2026年02月18日
録音ボタンがちょっと出っ張っていて、カバンの中で押されてしまうことがある。実はすでに、3時間の録音ファイルを5つも作ってしまっている。文字起こしをしなければお金はかからないが、取材先に着いてすでにバッテリーがなくなっていたりしたら困る。

というわけで、このボタンのカバーが欲しい。
試作開始
さっそく、息子は3D CADをダウンロードしてきて設計を始めた。設計といっても簡単な円筒形のキャップのような形状のものだが、3D CADは初体験なので、それなりに苦労した模様。とはいえ筆者と違って、まだまだ若いと頭も柔軟で、あっという間に最初の図面を完成させた。

息子がもらったZortrax M200という機種らしい。CADアプリで書いた図面をSTLファイルに変換し、それをZ-SUITEというスライサーで3Dプリンターに書き込むための.zcode形式に変換。この.zcodeファイルを3Dプリンターに持っていく。そして出力。

最初に作った部品は、ノギスで正確に測ったはずなのに、小さ過ぎて嵌らない。図面より、出力する時にすこし素材が『太る』のかもしれない。

次は1.1倍にしてみたけど、1.1倍に大きくしたはずなのに、1.1倍の設定を間違えたらしく、次のも嵌らなかった。次は本当に1.1倍にしたけれど、今度は大きすぎてユルユル。もうちょっと小さくしたらやっとジャストサイズになったが、ジャストサイズ過ぎて抜けなくなった。

そこで、真ん中に穴を開けることにした。真ん中に穴を開けると、上から押すことでカバーを外せるようになった。さらに穴の大きさや全体の高さを調整し、本体にある複数のマイク穴を塞がないようにしてもらった。

ごくシンプルな部品が欲しかっただけなのだが、なるほど実際に使うパーツを作るためには、こんなに試行錯誤が必要なのかと驚いた。実際に使える製品を作るのは大変だ。数を作ったり、他の人に使ってもらおうとしたら、もっと大変に違いない。