ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート・ペア競技で金メダルを獲得した“りくりゅう”こと三浦璃来選手/木原龍一選手ペア。何より印象的だったのは世界歴代最高得点(158.13)を叩き出したフリープログラムの神パフォーマンスで、それは今や“伝説”と化したと言っても過言ではない。
そうたらしめる一因が、高橋成美さんの感情豊かな解説であり、大西洋平アナウンサーの絶妙な実況だった。りくりゅうのペアフリーを何度もリピートしているうちに、大西アナの“しゃべらない美学”がじわりじわりと感じ取れる。
余計な実況で雑音を作らず、りくりゅうの演技、高橋さんの解説をあえて沈黙で際立たせる。そして、最終局面での高橋さんの解説──「コレオシークエンス」を合図に、大西アナは最高のタイミングで「ふたりの顔に笑顔が戻る!!」と発する。
そのひと言が、ショートプログラムでのリフト失敗からフリーでの大逆転劇に確信を与えた。木原選手が三浦選手を持ち上げてフィニッシュしたあと、大西アナは「やりましたー!!」と視聴者の気持ちを代弁。欲しい時に欲しい言葉を提供する、これぞプロの中のプロという実況だった。
高橋さんの解説が大きな話題となっているが、大西アナの出過ぎない実況も賞賛されて然るべきだ。その証拠に、彼の名実況は今なお忘れられない。
「失意のショートからわずか1日、数々の困難を乗り越えてきたふたりはこのオリンピックでも素晴らしい演技をやってのけました!!」(大西アナの実況)
その沈黙と一声が、歴史的金メダルを伝説の名シーンへと昇華させた。
文●白鳥和洋(THE DIGEST編集部)
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