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ビッグローブが2460億円も架空計上! 前代未聞の巨額粉飾が9年間もバレなかった理由

ビッグローブが2460億円も架空計上! 前代未聞の巨額粉飾が9年間もバレなかった理由

ビッグローブ公式サイトより

携帯電話『au』で知られる大手通信キャリア『KDDI』の子会社『ビッグローブ』と、その子会社『ジー・プラン』が、広告主や掲載するウェブ媒体が存在しない架空の広告仲介取引を繰り返し、最大計約2460億円の売り上げを架空計上していたことが明らかになった。

2社はネット広告の仲介業務を展開している。KDDIは記者会見でビッグローブに兼務出向しているジー・プランの社員2人が関与していることを明かしたが、複数の広告代理店が関わる循環取引による不正であるため、事案の詳細は不明のままだ。

KDDIは2月6日、2026年3月期第3四半期業績説明会の中で、ビッグローブとジー・プランの広告代理事業を巡り、不適切な取引があり、巨額の架空売り上げが計上されていたことを報告した。

この問題を巡っては、既に1月14日、特別調査委員会を設置し調査を実施することを公表したが、ここまで大規模な不正であることは明らかになっておらず、関係者の間に衝撃が走った。

松田浩路代表取締役社長CEOは記者会見の冒頭、「多くの関係者の皆様方に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪。’26年3月期第3四半期の決算短信の開示を延期した。

もともと、ビッグローブはNECのインターネットサービス部門として始まり、’06年に『NECビッグローブ』として独立。’14年にNECグループから離脱しビッグローブに社名変更、’17年にKDDIの完全子会社となった。

現在は、インターネットなどのネットワークを利用した情報サービスの提供や広告代理事業、ジー・プランはビッグローブの子会社であり、ポイント事業やメディア事業などを展開している。

ネット広告の取引はまず、広告主が「広告代理店」に広告出稿を依頼。広告代理店は、ウェブ媒体側の代理店である「掲載代理店」に広告を発注し、掲載代理店がウェブ媒体に発注することでネット広告が掲載される。

ビッグローブとジー・プランは、広告代理店と掲載代理店をつないで手数料を受け取る広告仲介ビジネスを行っていた。

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広告主が存在しないのに受注を装い

今回の不正は、こうしたネット広告取引の商流を悪用し、広告主が存在しないのに、広告代理店がネット広告を受注したかのように装い、ジー・プランとビッグローブを通じて掲載代理店に架空発注する方法で行われていた。

掲載代理店は通常であれば、ウェブ媒体に発注することになるが、ウェブ媒体ではなく別の取引先に発注しており、この別の取引先が最初の広告代理店と一体だった。

つまり、掲載代理店が広告代理店に広告代金を支払っていることになり、さらに、広告代理店がビッグローブ側に発注することで、架空取引が循環し続ける仕組みが出来上がっていたのだ。

循環取引を続けるには売り上げの水増しを続ける必要があり、架空取引額は雪だるま式に拡大。ビッグローブとジー・プランでは’24年3月期以前で約960億円、’25年3月期で約820億円、’26年3月期で約680億円の計約2460億円の架空売り上げが計上された。

ジー・プランを含むビッグローブグループの’25年3月期の連結売上高は約2300億円で、このうちおよそ3分の1の約820億円が架空売り上げだったことになる。

KDDIでは、KDDIグループ全体の余剰資金を取りまとめてグループ会社に貸し付けるグループファイナンスという仕組みを導入。KDDI側はこの仕組みを使い、昨年度、ビッグローブに約500億円の貸付を行っており、この資金の一部が循環取引に使われたとみられる。

「一連の広告仲介取引には、ジー・プランが’17年度から、ビッグローブが’22年度から関わっており、循環取引は最大で9年間にわたり繰り返されていた可能性がある」(業界関係者)

架空取引の度に、広告代理店と媒体代理店には手数料名目で計約330億円が支払われていた。KDDIは、広告代理店と媒体代理店の会社数について明らかにしていないが、少なくとも数社あるとみられ、KDDIはこれら流出した330億円の回収に乗り出す。

反社会的勢力の関与はなかったか

「不正に関わったビッグローブに兼務出向するジー・プランの社員2人の動機は明らかになっていないが、①ビッグローブやジー・プランの業績をよく見せる②広告代理店や媒体代理店に資金を流出させてキックバックをもらうという疑いがあるのではないか」(全国紙社会部記者)

弁護士らによる特別調査委員会では、流出した330億円が2人に還流していないかも含め、調査を進めるとみられる。

「ビッグローブとジー・プランの取扱高が月数百億円に膨らむなどしており、’25年10月、会計監査人の指摘により調査が始まった。KDDIがリスク管理の観点から掲載代理店への発注を減らすよう指示したところ、広告代理店に資金が回らなくなり、ビッグローブ側への入金が滞り今回の不正が発覚した」(同)

長年不正が発覚しなかったことについて、松田社長は、「取引を裏付ける帳票があり、実際に資金も動いていたので、取引を正常なものと認識していた」と説明した。

KDDIでは今後も特別調査委での調査を継続し、3月末をめどに結論を出す予定。調査と並行し、グループガバナンスの見直しと強化、再発防止策、広告代理店や掲載代理店への損害賠償のほか、警察への相談も検討している。

循環取引について詳しい専門家は「ある意味、古典的な手口ではあるが、管理体制が杜撰だったと批判されても仕方がない。『広告代理店』や『媒体代理店』がどのようなところだったのか、反社会的勢力の関与はなかったのか、解明すべき点は多い。取引先が絡む話なので、特別調査委で調査するのは限界があり、KDDIは早期に警察に相談し、捜査当局の手に委ねるべき」と指摘している。

2460億円の架空取引とは、まさに“バーチャル”のような話だ。

『週刊実話』3月5・12日号より

配信元: 週刊実話WEB

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