ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくためにさまざまなことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフと向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。
2023年プロテスト合格の96期生には︑今季レギュラーツアーで初優勝を果たした稲垣那奈子と髙野愛姫、菅楓華や、デビューイヤーからの優勝争いで注目の政田夢乃、また米ツアーで戦う馬場咲希など実力者がひしめいている。
與語優奈もその96期生のひとり。4月のステップアップツアー「ヤンマーハナサカレディース」で初優勝を飾り、レギュラーツアーに参戦。しかし、ショットの不調により、後半戦の主戦場は再びステップアップツアーに。そんな彼女に、今季のこれまでと近い将来の目標について聞いてみた。
「初優勝のあとショットが不調に」

●よご・ゆいな/2004年生まれ、愛知県出身。プロ2年目の今年4月にステップアップツアー「ヤンマーハナサカレディース」で初優勝。来季のレギュラーツアー出場権をかけて奮闘中。スターツ所属。
──まずは「ソニー日本女子プロ選手権」お疲れ様でした。あと1打で予選突破でしたね。
與語 ありがとうございます。結果は残念でしたが収穫もありました。メジャーのセッティングは想像よりも難しかったです。
──では、今シーズン開幕前あたりからの話を聞いていきますね。プロ2年目のスタート前に、具体的な目標は立てていましたか?
與語 ステップアップツアーで優勝することと、推薦をいただいたレギュラーツアーで結果を残して、そのままプレーしたいと思っていました。
──その目標に向けて、オフはどのように過ごしましたか?
與語 フィリピンで2カ月くらい、じっくり練習させてもらいました。
──その効果か、4月のステップアップツアー「ヤンマーハナサカレディース」で初優勝を飾りましたね。
與語 グリーンも仕上がっていて難しい試合でしたが、そのときはショットがよかったので、なんとか優勝することができました。
──「決めれば優勝」のパットを打つときはどんな気持ちでしたか?
與語 普段はあまり緊張するほうではないのですが、さすがに最後のパットは緊張しました。初優勝の実感はすぐにはわかなくて、まわりの人に祝福されるうちに「あ、私、優勝したんだな」って(笑)
──並行してレギュラーツアーにも出場していました。2つのツアーを戦って違いは感じますか?
與語 やっぱりレギュラーは距離も長いし、全体的にセッティングが難しいと思います。
──レギュラーツアーで戦っていくために、1番の課題はどの部分ですか?
與語 ショットです。4月の優勝以来、ショットの調子が悪くて、これまでどうやって打っていたのかわからなくなるくらいでした。
──スランプになってしまった?
與語 はい。過去に経験したことがないくらいひどくて。でも「ソニー」の前の週くらいからよかったころの感覚が戻ってきたんです。
──感覚が戻ったきっかけは?
與語 悪かったときは「腕をどうやって上げていたっけ?」とか細かい部分を気にしすぎていたり、構えたときに「また曲がるんだろうな」とネガティブな考えが頭をよぎったりしていました。それをやめて「インパクトの瞬間だけに集中しよう」って意識して打つようになったら、だんだん打ちたい球が出るようになってきたんです。
──シンプルに「そこにある球を打つ」ですね。それで光明が見えてきた?
與語 そうですね。後半戦は、ステップアップツアーで賞金ランキング2位以内(来季レギュラーツアーの前期出場権)を目指してガンバっていこうと思っています。
──後半の巻き返しを期待しています。では、そのための武器となるのは?
與語 アプローチです。グリーンを外してもアプローチで寄せて耐えるという、ガマンのゴルフが私のゴルフだと思います。
「イ・ボミさんみたいに楽しそうにプレーしたい」

──優勝により、年末のアワード(表彰式)の参加となりますが、衣装はもう決めましたか?
與語 いえ、全然。12月でしたよね。そろそろ決めないといけないですね。ドレス系で探しはじめてみようかな。
──目標とする選手はいますか?
與語 イ・ボミさんです。ゴルフを初観戦したときにはじめて見たプロがボミさんでした。そのときゴルフをすごく楽しそうにプレーしていたのがいいなって思ったのがきっかけです。
──たしかに、ボミさんが怒ったりするのを見たことがないです。ちなみに與語プロはプレー中に頭にきたりすることは?
與語 無理やり感情を押さえ込んでいるということはないので、自然に表には出てこないのかもしれませんが、正直あります(笑)
──感情が表に出ないのは立派な武器です(笑)。さて、ゴルフをするうえで今1番のモチベーションになっていることは?
與語 もっと勝ちたい、もっとレギュラーツアーでプレーしたい、という思いですかね。
──数年後どんな選手になっていたいですか。
與語 シード権を獲得して、ずっとレギュラーツアーで戦いながら優勝するプロになりたいです。
──もしゴルファーになっていなかったら?
與語 コスメとかおしゃれに興味があったので、美容部員とかになっていたかも。1回目のプロテストに失敗したときに一瞬だけ頭をよぎりました。でも、やっぱりゴルフが好きだから、その思いはすぐに消えましたけど(笑)

「余計なことは考えずにインパクトだけを考える」。彼女のこの言葉を聞いて、ミスタープロ野球・長嶋茂雄氏の代名詞である「来た球を打つだけ」を思い出した。ステップアップツアー賞金ランキング2位以内に入るため、與語優奈の「メークドラマ」がここからはじまる。
いかがでしたか? 與語選手のこれからの活躍から目が離せませんね!
文=ひよこきんぎょ
写真=小林司
撮影トーナメント=ワールドレディス サロンパスカップ

