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【プロの観戦眼41】パワーに目が行くが実は頭脳的なシャポバロフ。相手の返球を限定させる網の張り方~佐藤博康<SMASH>

【プロの観戦眼41】パワーに目が行くが実は頭脳的なシャポバロフ。相手の返球を限定させる網の張り方~佐藤博康<SMASH>

このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のここがスゴイ!」という着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第41回は元全日本ダブルス王者で、日本ランク最高2位の佐藤博康氏がシャポバロフを推す。

 シャポバロフといえば、サウスポーから繰り出す破壊力抜群のサービスや、ダイナミックな片手バックハンドをイメージする人が多いかもしれない。しかし佐藤氏が注目ポイントとして挙げるのは、「クレバーな組み立て」だ。ストローク戦でシャポバロフは緻密にボールを散らして、相手の隙を作り出しているという。

「フォアハンドで深いクロスボールを打ち、その後に少し浅いクロスを入れて、次にもっとショートクロスに打つ――3本を少しずつ浅くしていって、相手を動かすんです」と佐藤氏。

 そうするとどうなるのか? 相手はクロスに来たボールをバックハンドで同じようにクロスに返すが、だんだんオープンコートが広くなっていくという。

「相手は走らされる角度が徐々にきつくなり、でも短いボールをストレートに叩くのは難しいから、クロスに返すしかありません。似たボールが少しずつ鋭角に来ると、次もクロスだろうという意識も働くので、流れでクロスに返しやすくなるわけです」
  その結果、いつの間にかバック側に寄せられた相手は、フォア側が大きく空いてしまう。「シャポバロフは相手を動かしながら、ストレートに展開できるボールを待っているんです。オープンコートができたところで、すかさずストレートに叩いて決めます」

 ついパワーに目が行きがちなシャポバロフだが、実は色々考えていて、非常に頭脳的な選手だと佐藤氏は語る。「ラリーの中でショットのバリエーションが豊富です。相手のバランスを崩し、返球ショットを限定させるために“網を張る”ようなプレーをします」と高く評価する。

 皆さんもそういう視点でシャポバロフの試合を見てみると、これまでとは違った楽しみ方ができるのではないだろうか。

◆Denis Shapovalov/デニス・シャポバロフ(カナダ)
1999年4月15日生まれ。185cm、75kg、左利き、片手BH。5歳でテニスを始め、ジュニア世界2位を記録し2017年にプロ転向。19年にツアー初優勝を飾り、21年にはウインブルドン4強。その後ケガに苦しむが、25年にツアー2勝を挙げて復活。ATP最高10位。ツアー通算4勝。攻撃的かつ頭脳的なテニスが持ち味。

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
※『スマッシュ』2025年11月号を再編集

【連続写真】ショートクロスにボールを送ったシャポバロフのフォアハンド「30コマの超連続写真」

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配信元: THE DIGEST

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