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【テニスギア講座】シューズの宿命とも言えるクッション性の低下…その原因と対策を考える<SMASH>

【テニスギア講座】シューズの宿命とも言えるクッション性の低下…その原因と対策を考える<SMASH>

今回のテーマは「テニスシューズのクッション性低下」についてです。“シューズの寿命”として半年もてば適正ですが、「何とかならないの?」とお悩みの方の質問に答えます。

 スマッシュ読者の方からこんな問い合わせがありました。

「購入から2~3カ月はシューズのクッション性が感じられてジャンプしやすいのですが、半年もたつと反発性が感じられなくなりました。理由と対策を教えてください」

 体重80キロ超の筆者が普段履きとしてテニスシューズを使用していると、数カ月でペッタンコに感じ、フワフワだった足裏がまるで草鞋履きのような感触になります。脱いだ翌日には、履いた瞬間のクッション感が一瞬戻っているように感じますが、5分もたたないうちにまた草履のように......。

 これはソールの「つぶれ→復元」性能の低下である“ヘタリ”が原因です。ソールは履いているうちに必ずヘタります。性能的劣化は避けることができぬ運命ですし、半年は決して短くはないでしょう。

 ですから、性能的な寿命を迎えたら買い替えるべきですが、アッパーも汚れなく、ソールもそんなに摩耗していない......となると、捨ててしまうのは、SDGsが叫ばれる世の中にあっては、あまりにもったいない気がしますよね。
  現代シューズのアッパーは、ほとんど伸びません。「足入れ感がユルくなったな」と感じるのは、アッパーが伸びたからではなく、ミッドソールとインナーソールがつぶれたせいで、足裏面が下がるからなのです。

 そうなるとシューズの内部が広くなってしまい、フィット性能が低下することになります。当然、踏み込んだ時の足のホールド性も落ち、ケガもしやすくなる。トッププロはいつも新しそうなシューズを履いていますが、それはソールの「生きた動的性能」を必要とするため、性能劣化する前に新しいシューズに履き替えるからです。

 さて、多くのテニスシューズのアウターソールにはラバー素材を使いますが、ミッドソール、インナーソールにはEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)が使われています。発泡したEVAは、弾力があって柔らかく、低温でも硬くなりにくい。耐水性も高く、紫外線の影響を受けにくいため、ソール素材として最適なのです。

 いいことだらけに思えるEVAですが、圧縮の連続によって復元力が低下するという宿命も背負います。でも現代シューズにとってEVAは、捨てがたい素材であり、代替素材はまだ登場していません。
  試履きをする瞬間に感じることって何ですか?「あっ、軽い」とか「う~ん、柔らかくて気持ちいい」......それは“EVA様のおかげ”です。でも、踏み付けによる圧縮の繰り返しによって復元性が低下することは、試履きでは想像できないですね。

 実は同じEVAでも、発泡の密度によって硬さが違い、密度の低いものほど柔らかく感じますが、「柔らかい」=「クッション性が高い」と勘違いしてはいけません。発泡密度の高いEVAはヘタリにくく、反発感が保たれやすいですが重くなります。逆に発泡密度の低いEVAはヘタリやすく、反発感が早く失われますが軽いのです。

 シューズ開発者は、ショップへシューズを買いにきたお客さんに「これ、軽いよね」と思ってもらうために、1グラムでも軽くしようと必死の努力を重ね、素材を選び、デザインを熟考します。「重くてもいいから、ヘタらないミッドソールを!」と訴えても、なかなか現実的ではないですね。
 「アッパーは汚れてなくてキレイだし、靴底もまるで減っていない。でもソールがつぶれてクッション感がなくなっちゃった......どうすることもできないの?」

 半年使用したら、基本的には買い替えをお勧めします。ただあくまで、一時的な対策であることを承知で聞いてください。

 100円ショップの靴ケア用品コーナーには、たくさんの中敷、挿し替え用インソールなるものが並んでいます。その中から、「クッション性」「高反発」という単語を見つけて買ってください......100円だもの。

 ポイントは「低反発は選ばず」「なるべく厚くて硬い感触の均等厚のものを探す」こと。購入したら、まず自分のシューズのインナーソールを抜き、100円中敷を入れ、その上に元のインナーソールを乗せるように戻してみてください。足裏が上がり、フィット感が少しだけ戻る感じがします。ただし、これはあくまで一時的な応急措置ということをお忘れなく!

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2024年8月号より抜粋・再編集

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配信元: THE DIGEST

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