経験則という名の思い込み
1年ほど前のこと。新規の営業として、若い女性が私のもとを訪れました。まだ緊張が見て取れる、入社して間もない様子の彼女。私は話を聞く前に、こう言ってしまったのです。
「女に営業は無理。上司に代わってもらえる?」と。悪気があったわけではありませんでした。長年の経験から、そう判断しただけのこと。彼女がどんな表情で帰っていったのか、正直なところ覚えてもいませんでした。
業界紙に載った名前
ある日、何気なく開いた業界紙に、見覚えのある顔写真がありました。最優秀営業賞を受賞したという記事。そこに載っていたのは、1年前に追い返したあの女性だったのです。
記事には受賞スピーチの内容も紹介されていました。「以前、女に営業は無理だと言われたことがあります」「その言葉があったから今の私がいます」という言葉。
会社名こそ出ていませんでしたが、それが自分のことだとすぐに分かりました。申し訳ない事をしたなと思いました。
