アニメとゲームを愛し、コスプレに青春を捧げたタカタカさん(仮名、47歳男性)。23歳でのスピード婚を皮切りに、37歳、42歳と、これまで3度の結婚、そして離婚を経験してきた。その全てが情熱的な恋の始まりと、想像を超える別れで幕を閉じている。
不倫、束縛、夜逃げ――。なぜ彼は破局を繰り返してしまったのか。波乱に満ちた3度にわたる結婚遍歴に迫った。(前後編の前編)
ゲーム仲間の“戦友”と妻が不倫…
1回目の結婚は23歳のとき。出会いは、17歳から趣味だったコスプレのイベント「コスプレダンスパーティー」だった。『テニスの王子様』の海堂薫に扮して参加したタカタカさんは、同作の不二周助に扮した2歳下の女性に一目惚れした。
「コスプレ姿も素晴らしかったけど、とにかく顔がめちゃくちゃ可愛かったんです」(タカタカさん、以下同)
そこから猛アプローチを続けたタカタカさんだったが、当初は「ウザい」「気持ち悪い」と一蹴され、あえなく玉砕。それでも“友達以上恋人未満”の関係が半年ほど続き、ひょんなことから交際へと発展した。
「ある夜、『仕事で嫌なことがあった』と彼女が泣きながら電話をかけてきて。そこで色々話をする中で、一気に距離が縮まったんです」
交際後、彼女の複雑な家庭事情を知ったタカタカさんは「もう家に帰らなくていい。このまま俺と一緒にいよう」とプロポーズ。交際2カ月のスピード婚を果たした。
しかし、そんな情熱的に始まった結婚生活は5年で終止符が打たれることに。いったい、なにがあったのか。
「結婚後、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』というアーケードゲームにお互いハマるんですが、そのコミュニティの仲間である“戦友”と妻が気付かぬ間に不倫していたんです…」
「あなたへの気持ちはもうなくなってしまったので、別れてください」
そう妻から切り出されたタカタカさん。「本当は別れたくない」という自身の胸の内をグッと押し殺し、相手の気持ちを尊重したうえで、28歳のとき離婚に至った。
「フランス料理店は不倫の温床!」過剰な束縛で妻が夜逃げ
そこから約10年の月日が流れた。2回目の結婚相手と出会う直前、トラック運転手として働くタカタカさんは仕事中に右足をフォークリフトに踏みつぶされる事故に遭い、入院生活を余儀なくされていた。そんな失意の最中、SNS上である女性と出会う。
「当時のツイッター(現・X)をいじっていたら、〈彼氏に浮気された〉と嘆いている女の子の投稿を見つけました。僕自身、最初の結婚相手にも不倫され、その後に交際した彼女にも浮気されているので、その痛みに寄り添ってあげたいと思って」
唯一動かせる指先を駆使し、タカタカさんは彼女にメッセージを送った。
そして退院後、遠距離恋愛を実らせ、タカタカさんが37歳のとき、2回目の結婚を果たした。
しかし、この結婚生活はわずか1年で終わりを迎えることに…。
「原因は僕の“過剰な束縛”でした。当時、声優の水樹奈々にドハマりして、ファンコミュニティを運営していたんですが、そこの男性陣が妻に色めきだっている様子を感じて…その瞬間、僕の中で過去のトラウマがフラッシュバックのようにうずき始めたんです」
不安が暴走したタカタカさん。「職場は通勤2時間以内」、「サッカー観戦は禁止」といった職場や趣味の領域に始まり、「大学時代の同級生との接触はNG」といった交友関係から、「フランス料理店は不倫の温床」「アフターヌーンティーのような金持ちのたしなむ文化圏は下劣!」といったありもしない食文化にまで口を出していったという。
それぞれの束縛の理由について聞いてみると、
「サッカー観戦禁止は、ワールドカップ開催時に『渋谷が痴漢祭りになっている』というニュースを見たことが理由です。そもそもスポーツのテレビ放送自体、アニメ放送を潰す“敵”という認識が昔からあったので、テレビ観戦すら見づらい空気感を作ってしまっていた気がします…。
あとは『大学生=ヤリチン』という固定観念があったので、大学時代の友人や同窓会の出席も禁止していました」
そんな広範囲な束縛に耐え兼ねた彼女は、ついに夜逃げを決行。タカタカさんが帰宅すると、猫1匹、犬2匹、車1台とともに彼女の荷物は全て消え、テーブルには「しばらく別の場所で暮らそうと思います」とのメモ書きだけが遺されていた。その後、弁護士経由で離婚届けが自宅に届き、38歳で離婚に至った。

