サンアントニオ・スパーズは、現地時間2月26日(日本時間27日、日付は以下同)に敵地バークレイズ・センターでブルックリン・ネッツを126-110で下し、怒濤の11連勝を飾った。
これでスパーズは、今月1日のオーランド・マジック戦からオールスターブレイクを挟んで無傷の11連勝で2月をフィニッシュ。さらに、月間10試合以上が組まれた日程で、毎試合110得点以上を奪って全勝を飾ったのはNBA史上初の快挙となった。
11戦無敗で2月を終えたチームにおいて、オールスターデュオのヴィクター・ウェンバンヤマとディアロン・フォックスに加え、ステフォン・キャッスル、デビン・ヴァッセル、ディラン・ハーパー、ジュリアン・シャンパニー、ハリソン・バーンズ、ケルドン・ジョンソンの計8選手が月間平均20.0分以上プレー。ルーク・コーネットとカーター・ブライアントも平均13.0分以上の出場時間を得ており、選手層の厚いロスターで戦い抜いた。
この期間、オフェンシブ・レーティング121.3、ディフェンシブ・レーティング106.2でいずれもリーグ2位、ネット・レーティング+15.1では堂々リーグベストを誇る。
スパーズには平均23.7点、11.2リバウンド、2.9アシスト、2.8ブロックをマークするウェンバンヤマが君臨しているため、スポットライトがこのビッグマンへ注がれる傾向にあるのだが、先発ガードを務めるキャッスルの貢献度も見逃せない。
昨季の新人王は、ここまで49試合へ出場して平均16.6点、4.9リバウンド、6.8アシスト、1.3スティールの好成績。積極果敢なドライブで突破口を開いて、自身の得点や味方のシュートチャンスをお膳立てしている。
そして198㎝・98㎏のサイズを駆使したフィジカルかつしつこいディフェンスで、スパーズの“PoAディフェンダー”(Point of Attack/相手のプレーメーカーへマッチアップする役割)を見事にこなしている。
そんな21歳の若手ガードを、ウェンバンヤマはこう称えていた。
「ステフォンは自分の役割をすごく理解している。彼のプレーレベルは2年目の選手とは思えないくらいさ。僕らは対戦する相手を快適にプレーさせないように苦しめる。それが狙いなのさ。最高のオンボールディフェンダーのひとり(キャッスル)をドリブルでかわせても、最高のリムプロテクター(ウェンバンヤマ)からショットを打たないといけない。これがすごくタフなんだ」
スパーズはリーグトップのショットブロッカーが、広範囲で睨みをきかせている。高さと長さ、速さで反応し、とんでもないタイミングで相手のショットを仕留めてしまう。
そして相手チームのボールハンドラーへの刺客がキャッスルだ。得点源やウイングをカバーする男は、今季ここまでルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)をフィールドゴール成功率38.1%(8/21)、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)を同31.6%(6/19)、ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)を同23.1%(3/13)へ封じている。
キャッスルの背番号5、ウェンバンヤマの背番号1をつなげた“エリア51”の異名を持つデュオは、攻守両面でスパーズの躍進に不可欠な要素となっている。
就任2年目のミッチ・ジョンソンHC(ヘッドコーチ)はこう話す。
「(ステフォンは)昨年、そのポテンシャルを見せてくれた。ディフェンス面で、本当に素晴らしいプレーをしていたよ。当然、今年は彼に求めるレベルを上げた。それによって、彼がリーグ有数のスコアラーたちやボールを支配する選手たちをガードする機会が増えた。そして、彼はその能力が備わっていると証明したと見ている。
他の面で、彼は成長し続ける必要がある。ただ、オンボールディフェンスに関しては、リーグの誰にも劣らない活躍を見せていると思う」
27日に首位サンダーがデンバー・ナゲッツに勝利したことで、46勝15敗(勝率75.4%)となり、2位スパーズ(43勝16敗/勝率72.9%)とのゲーム差が2.0へ広がった。
とはいえ、今季のスパーズは7シーズンぶりに勝ち越しが確定している。しかも、プレーイン・トーナメント進出圏内にいる7位のフェニックス・サンズ(34勝26敗/勝率56.7%)へ9.5ゲーム差をつけているため、プレーオフ復帰も濃厚と、リーグ優勝5度を誇る名門が勢いに乗っていることは明らかだ。
リーグ上位の戦績を残すスパーズが、ここからどれだけ勝利を重ねることができるか、そしてポストシーズンの戦いにも注目していきたい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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