
「WEBザテレビジョン」でリニューアルスタートした俳優・高橋健介の連載企画「高橋健介オトナ化計画」。オトナを目指して「週刊ザテレビジョン」でさまざまな体験をしてきた高橋が、さらなるレベルアップのために資格や検定などに挑戦する。第18回は、公演中のミュージカル『レイディ・ベス』、そして3月4月に放送される冠番組の話題を中心に話を聞いた。オトナ化企画では確定申告の時期にちなんで、税金にまつわるクイズを出題。
■最後まで上がり続ける公演に
――ミュージカル『レイディ・ベス』が開幕しました。現時点での手応えはいかがですか?
だいぶフレッシュなキャスト陣になって、「大丈夫なのか?」と思っていたお客様がいらっしゃったようですが、開幕してみると肯定的な意見が多くてうれしいです。僕が好意的な意見しか読んでいないというのもあるかもしれないですけど(笑)。でも、それをキャストたちもなんとなく感じて「自分たちならもっとできる」という気持ちになっています。演出の小池修一郎さんも毎回ちゃんとダメ出しをしてくれているので、全82公演の最後まで上がり続けられるんじゃないかなという空気感はありますね。
――稽古期間中にお話を伺った際には、演じるシモン・ルナールという人物がまだつかめていないと悩まれていましたが、そのあたりはいかがですか?
さすがに自分のなかで考えがまとまって、納得いくものをお客様に見せられていると思います。ありがたいことにWキャストの方とお芝居するので、シモン・ルナールの新たな可能性が見えてくるのも面白くて。たとえばシモン・ルナールは、メアリー・チューダー、フェリペと同じ場面が多いのですが、メアリーは丸山礼さんと有沙瞳さん、フェリペは内海啓貴さんと松島勇之介さんで、それぞれWキャスト。どっちがどうというわけではないですが、「今日のメアリーは、強く出過ぎるといじめているように見えちゃうからちょっと引いてみよう」と考えたり、フェリペは相手によって友達に近い関係に見えたり、先輩・後輩っぽく見えたりする。自分の中ではシモン・ルナールは固まってきたけど、そういうところで毎回違うものになっていると思うし、毎回新鮮な気持ちで演じられています。まだまだ満足しないで、いろいろなシモン・ルナールに挑戦していきたいなと思っています。
――カンパニーの雰囲気はいかがですか?こちらも、以前(第17回取材時)はまだあまり皆さんと一緒にお稽古ができていないとおっしゃっていましたが。
楽屋が内海啓貴くん、松島勇之介くんと同じで、その楽屋に有澤樟太郎くんや手島章斗くんが遊びに来ます。特に有澤くんはずっと僕らの楽屋にいます(笑)。そういった面でも、いい感じのわちゃわちゃはあると思います。
――楽しそうですね。
あと、ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』のときは俵和也さんに僕の歌を見てもらっていたのですが、今回もどなたかにお願いしたいなと思って。歌を一緒に歌うことがなくて僕の歌を見られる方は誰かと考えて、キャット・アシュリー役の吉沢梨絵さんにお願いすることにしました。劇場に入ってから、梨絵さんに「気になることがあれば逐一ご指導いただけないでしょうか?」とお願いしたらこころよく受け入れてくださって。毎回「ここ、こうしてみようか」とアドバイスをいただいています。ここ数日は「歌は落ち着いてきたから、作用させることをテーマにしよう」と言ってくださって。セリフで作用させるというのはできていると思うんですけど、歌は、ちゃんと歌うことばかりに意識がいっていて、自分の歌で相手を動かすというところまで考えられていなかった。だから今は、作用させることを意識しています。梨絵さんは基本的に褒めから入ってくれます。「すごくいい!すごくいいけど…」って。だから僕も気持ちよく改善に取り組めています。
――毎回アドバイスをもらいにいくという姿勢、素晴らしいですね。
勇之介くんにも言われるんですよ、「さすがですね」って。でも82公演もあると、誰かに毎回見てもらっていないと絶対に下降していくし、自分ひとりでは下降に気づけないから。
――そうやって共演者の皆さんとも親交も深めているんですね。
キャストの方とのエピソードで言うと、もうひとつ印象的なものがあって。ベディングフィールド役の粟野史浩さんとは、稽古場であまり話ができていなかったんですが、劇場に入ってから、「健介くん」と話しかけられて。『レイディ・ベス』のパンフレットを読んだ息子さんが「ウルトラマンXいるじゃん!」と言っていたそうで。
――それはうれしいですね。
はい。だから「息子さんに向けて動画撮りますよ」と言って、「お父さんにお世話になってます」みたいな動画を撮りました。そしたら、その後、粟野さんが走って楽屋に入ってきて、何かと思ったら「ごめん、撮れてなかった!」って(笑)。だから動画をもう一度撮りました。コピペだと思われると恥ずかしいので、内容もちょっと変えました(笑)。
――すてきなエピソードなうえに、オチまでありがとうございます。ではこの先の公演を楽しみにしている方へ向けて、メッセージをお願いします。
タイトルにもなっているレイディ・ベスを演じるのは奥田いろはさんと小南満佑子さん。Wキャストで、どちらにもまったく違うよさがあります。僕はシングルキャストですが、そういうWキャストのも面白さもぜひ感じていただけたらと思います。それから、上演期間が2月から3月と、新生活が始まる人もいるだろうし、環境が変わる人もいると思います。そういうところでちょっとしんどさを感じたときに、息抜きに来てもらえたらうれしいです。

■冠番組はファンにも初めましての方にも届けたい
――そして映画・チャンネルNECO、ひかりTV、Leminoにて、冠番組「#高橋健介」が放送・配信されることが決定しました。冠番組ですね。
ありがとうございます。普通に考えたら冠番組ってうれしいじゃないですか。だけど、実は最初断ろうと考えました。というのも、最初の打ち合わせで「この番組はこういうバラエティで、俳優さんの素顔や新しい姿を見せていきたいです」と熱弁いただいて。でも僕は、他の俳優さんよりもたぶん多くいろいろな面をすでに見せてしまっている。だから「冠番組をやらせていただけるのはうれしいですが、その企画意図なら僕じゃないほうがいいと思います」とお伝えしました。そしたら「じゃあ一度検討します」となると思うじゃないですか。
――そうですね。
そしたら、どうしてかはわからないんですけど「ぜひ!」って言われて。「いや、今の話、聞いていました?」って感じだったんですが(笑)、そういう僕の思いも話した上で「ぜひ」と言っていただけるのであれば、それはもうやらせていただこうと覚悟を決めました。
――番組は「高橋健介が生まれ育った地元を巡る思い出旅・前編」「高橋健介が生まれ育った地元を巡る思い出旅・後編」「新しい特技を身に付けるためモノマネに挑戦」の全3話。収録はいかがでしたか?
撮影してみて思ったのは、冠番組だからもっと「自分が、自分が」となってもいいはずなのに、ゲストを招いたので、思ったよりもホストとして、ゲストを立てようとしていましたね。YouTubeチャンネルの「ぼくたちのあそびば」でもそうですが、ゲストに対して「来てくれてありがとう」という気持ちが強くて。僕自身がゲストで番組に出ることが多くて、そういうときに爪痕を残そうと思っていたので。
――では、冠番組ならでの健介さんが見られそううですね。
そうですね。あと、ロケの日に番宣の素材も撮りましたが、「#高橋健介」というタイトルなので、相当な回数「高橋健介」と言いました(笑)。1日にこんなに「高橋健介」と言った日はないというくらい。
――ご自身の名前が番組のタイトルになっていることを実感された瞬間だったと。
本当にありがたいし、悪いことできないなって思いました(笑)。全面的に名前出ちゃっているから。
――悪いことはしないでください(笑)。「#高橋健介」というタイトルですが、きっと健介さんがSNSでよくバズっていることもきっかけのひとつでしょうしね。
そうだと思います。最初、番組名を聞いたとき「#高橋健介」ってよく見るワードだし、僕がふざけているだけに見えるから、別の番組名の候補も出してもらいました。だけど最終的に「#高橋健介」がしっくりくるということで、これになりました。
――4月には番組派生のイベント「#高橋健介FES」も開催されます。
はい。ちょっとまだイベントの内容は決まっていないのですが、番組の取れ高がかなりあって、放送されない部分も多そうなので、ディレクターズカット版をみんなで見るとかもいいんじゃないかなと思っています。全然違う内容になるかもしれませんが。
――イベントも楽しみな「#高橋健介」、どんな番組になっていますか?
CSと配信の番組ということで、自分のイベントとは違ってファン以外の方にも楽しんでいただける内容になっています。ファンの方はより深く僕のことを知って楽しんでもらえると思いますし、初めましての方には「この俳優の作品見てみたいな」と興味を持ってもらえるような番組にしたつもりですので、ぜひ見ていただけるとうれしいです。
――では最後に、最近“オトナ化”を感じたエピソードを教えてください。
先日、船越英一郎さんが『レイディ・ベス』を観に来てくださいました。今までは、そういうときって衣装を脱いでタンクトップで、ヘアバンドで楽屋でお話しして写真を撮っているのですが、「そういえば、船越さんって観劇に来てくださるとき、いつもカッコいいな」と思っていたので、こちらが中途半端な格好でいるのは失礼かもしれないと気づいて。フル装備でお出迎えしたいなと、ヘアメイクさんや衣装さんに前日の夜に前もってお願いをして、シモン・ルナールとして船越さんをお迎えしました。これは大人になったんじゃないかなと思いましたね。

■税金について知ってオトナ化
――2月末の掲載ということで、確定申告にちなんだクイズをご用意しました。まずは2026年の確定申告の締め切り日はいつでしょうか?
普通に考えたら3月15日ですけど……これ、ひっかけですね? 首相が変わったから3月15日じゃなくなってるとか? いや、でもひっかけと見せかけて「3月15日でした」みたいなことか? じゃあ3月15日で!
――残念。今年は3月15日が日曜日なので3月16日が締め切りです。
うわ〜、シンプルな理由で! 曜日まで把握してなかったです。
――続いては税金に関するクイズです。「ヒゲ税」「俳優税」「右利き税」の3つの中に、実際にはなかった偽物の税がひとつあります。どれでしょう。
この中に、実際にあった税金が2つあるということですか?えー、何だろう。今、僕もヒゲが生えているし、時代によって、ヒゲ税はありそうだな。俳優税も、サラリーマンとは違う仕事だから確かにありそう。右利き税かな〜。昔、左利きの子がみんな右利きに矯正していた印象があって。みんな右利きにして右利き税を取っているとしたらエグい話ですよね。…ということで、なかったのは右利き税!
――正解です!
やったー! ということは、ヒゲ税と俳優税は実際にあった税制なんですか?
――そうです。ヒゲ税はロシアとイギリスに一時期あった税制だそうです。ロシアのヒゲ勢は、身分によって金額が違ったそうです。イギリスのヒゲ税は、ヘンリー8世が導入したと言われていますが、公式記録は残っておらず、実際にあったかは不明です。
おお、今『レイディ・ベス』はちょうどヘンリー8世の時代なんですよ。シモン・ルナールがいるのはスペインですが。その時代に、ヒゲを生やした僕がイギリスにいたらヒゲ税を取られていたんですね。俳優税は?
――俳優税は日本にあった税制で、明治時代から昭和15年まで、東京や大阪など多くの府県で導入されていました。歌舞伎役者や映画俳優などが対象だったそうです。
へぇ!

――もう1問、税制についてのクイズです。16世紀のイギリスで導入された税は、「トランプ税」「チェス税」「テニス税」のうちどれでしょう?
トランプとチェスはテーブルの上でできるで、テニスだけ屋外か〜。わかった!トランプ税だ!トランプはみんなが楽しめる娯楽だったから、「これは金が取れるぞ」って思った人がいたはず。
――正解です。ちなみに、チェスは紳士のゲームということで教養として課税されなかったそうです。
なるほど。
――このトランプ税にちなんだ豆知識がありまして。税金を払った証拠として、特定のカードに政府のスタンプを押していた名残で、現在でもスペードのエースだけデザインが豪華になっているんだとか。
へぇ! またオトナになりました。

◆取材・文=小林千絵
ヘア&メーク=yuto
スタイリング=石橋修一
衣装協力=wjk、buff

