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ジョージ・ラッセルのメルセデスF1契約延長が未発表な理由とは? パドックの噂から示唆されるふたつのキーポイント

ジョージ・ラッセルのメルセデスF1契約延長が未発表な理由とは? パドックの噂から示唆されるふたつのキーポイント

メルセデスのジョージ・ラッセルは今年、キャリアベストに近いシーズンを過ごしているが、来季シートは決まっていない。この背景にはどんな理由があるのだろうか?

 メルセデスにとって、2026年のF1は“全てを賭ける”シーズンとなる。現行グラウンドエフェクトレギュレーション導入で“大ゴケ”したことで4年間にわたりタイトル争いから離れてきたチームは、新たなテクニカルレギュレーションが導入される来季以降のF1新時代に向けて全力を注いでいる。目標は20214年から2021年までの8シーズンにわたりF1を支配した常勝軍団の復活だ。

 F1パドックでは、メルセデス製次世代パワーユニット(PU)最強説が聞こえてくる。ジェームス・アリソン率いるメルセデスの技術チームは復活の鍵となるマシンに全力を注ぐため、2025年マシン開発を大幅に前倒しで中断したほどだ。

 しかしこのシナリオには、気になる点がある。来季の優勝候補筆頭(絶対的な本命ではないにせよ)と目されるチームが、10月頭の時点で来季のレギュラードライバーを発表していないのだ。

 しかしメルセデスは心配していない。9月にチーム代表のトト・ウルフは「ジョージとの間では、いくつか調整したい点がある。移動の仕方やマーケティングの日程についてだ」と語っており、通常ドライバーの地位が高ければ高いほど、チームスポンサーやチームパートナーに対する義務は少なくなる。

 ウルフ代表とラッセルの側近たちは、2026年シーズン開幕時のグリッドに確実に並ぶと主張し続けているものの、イタリアGP前に予定されていた発表日を数週間経過したにも関わらず、未だに何もしていない……プロモーション活動義務以上の問題が絡んでいることは明らかだ。

 motorsport.comが入手した情報では、この遅れを説明する重要なポイントがふたつ存在する。

 ひとつ目の問題は、報酬に関するモノだ。過去2シーズンでラッセルが発揮したパフォーマンスは、間違いなくトップドライバー級だ。彼がそれを契約の金銭面に反映させたいと望むのは当然だ。

 ふたつ目の問題は、契約期間に関するモノだ。アゼルバイジャンGPのパドックで浮上したこの噂は明確なモノになってはいないが、通常この規模の契約延長は2シーズン単位と考えられ、その線でいけばラッセルとメルセデスは2027年末まで共に戦うこととなる。しかし単年契約にオプションが付く“1+1”の契約形式の噂もあり、この場合2026年末にどちらかが契約延長を決定することとなる。問題は契約の主導権を握るのが、メルセデスかラッセルかということだ。

 メルセデスとしては、4度のF1世界王者であるマックス・フェルスタッペンが2026年限りでレッドブルを離れる決断を下した場合に備えて、2027年シートを空けられるようにしておくことを重要視しているのかもしれない。これは驚くべきことではなく、メルセデスとフェルスタッペンの間では既に数回交渉が行なわれてきた。

 しかしラッセル自身が短期契約を好む可能性もある。メルセデスは頂点に返り咲くために必要なリソースは新たな時代に向けて開発を進めているが、すべてはコース上でのパフォーマンス次第だ。

 ラッセルはメルセデスに加入してからの過去4シーズン、世界タイトルを争えるマシンを一度も手にしていない。彼の立場からすれば、競争の激しいドライバー市場において2026年半ばに選択肢を見直すというのは魅力的かもしれない。時間的な要素もラッセルに有利に働いている。ラッセルのドライバーとしての評価が十分に高まった今、2026年のメルセデスが再び振るわなければ、別のオファーが舞い込んでくるかもしれないのだ。

 メルセデスはしばしば、ラッセルのような自社ジュニアプログラム出身ドライバーがマネジメント契約を通じてチームと紐づけられている点を強調する。これは下位カテゴリーで若手人材を支援するメルセデスの、投資に対する見返りだ。

 これまでジュニアプログラムを通じてメルセデスF1に加入したドライバーが自発的にチームを去った例はない。メルセデスにとっては、バルテリ・ボッタスのようにチームを離れたドライバーの代わりを探すことの方が重要だった。

 しかしラッセルが2026年限りでメルセデス退団を決断すれば、新たな局面を迎える。結局のところマネジメント契約はチーム残留の条件ではない。より良いオファーが舞い込めば、メルセデスは成すすべがない。逆説的に言えば、このシナリオではメルセデス首脳陣がラッセルにとっての最良の条件を交渉する役割を担い、F1における直接的なライバルを相手にするということになる。

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