MotoGPの開幕戦タイGPスプリントレースでは、KTMのペドロ・アコスタが初勝利を収めた。マルク・マルケス(ドゥカティ)とのバトル、そしてペナルティによる勝利だったが、アコスタはたとえ2位だったとしても自分の走りに満足できると振り返った。
2026年シーズンの開幕戦は、アプリリアが速さを発揮する形で始まった。ポールポジションは新レコードを叩き出したマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)で、他のアプリリア勢も速さを示した。
しかしスプリントレースではそのベッツェッキが早々に転倒して戦線を離脱。レースはマルケスとアコスタの一騎打ちとなり、ふたりは激しいバトルを繰り広げた。
バトルの決着はラスト2周の最終コーナーでついた。前を行くアコスタに対し、マルケスがイン側に飛び込むと、アコスタは押し出される形でコースオフし遅れることになった。しかしこの動きは審議対象となり、マルケスに1ポジションダウンのペナルティが決定。マルケスは最終ラップの最終コーナーを前にトップを譲り、アコスタがキャリア初のスプリントレース勝利を果たすことになった。
レース後、初のスプリント優勝、KTM初のランキング首位という結果について、どう感じているか訊かれると、彼はこう答えた。
「そこまでのことじゃない。まだ43レースも残っていて、先は長いんだ。でも、昨年の苦しかったことを乗り越えて、こうしてシーズンをスタートできたのはとても嬉しいよ」
「マルクと比較すると、序盤のセクターでは苦戦していて、力不足だった。でも今のパッケージには満足している。もちろん不足している部分もあるし、フロントロウからスタートできていれば序盤からもっと戦えただろうと思うけど、これが現実だ。KTMは良い仕事をしているし、シーズンを通じてベストバイクを用意しようと努力してくれている」
そしてアコスタは、仮にマルケスにペナルティがなく2位だったとしても、レースには満足していたはずだと語った。
「たとえマルクにペナルティが出なかったとしても、自分は今日のレースに満足していただろう。昨年の苦労を考えれば、今こうして彼と戦えるのは本当にうれしいことだ。明日(決勝)がどうなるか様子を見てみよう」
なおアコスタはライバルへのペナルティについては予想していなかったようで、マルケスに譲られて「ストレートに入ったとき、『何が起きているんだ?』と思ったよ」と語っている。
そしてアコスタは「彼にトップを譲られたから、勝者になったという実感がないのかもしれない。明日は本当の勝利を目指して頑張るよ」とも、フィニッシュ後のインタビューでは語っていた。
ペナルティに関してはドゥカティのチームマネージャーを務めるダビデ・タルドッツィが「接触はなかった」と罰則に憤りも示していたが、アコスタは「接触はあった」と明言している。
とはいえ接触含みのオーバーテイクそのものに対して、アコスタは立場が逆なら自分でもしていただろうと問題視していない。
「(マルケスのオーバーテイクは)やり過ぎとかではない。(立場が逆なら)僕も同じ事をしただろうね」
「それがMotoGPをエキサイティングにしている。結局、こういうバトルや瞬間が記憶に残るんだ。ファンにとっても素晴らしいレースだったと思う」

