日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、「火(ひへん)」に、「頁(おおがい)」という字が組み合わさった、心の状態を表す言葉です。
手続きが複雑だったり、人間関係に疲れたりしたとき、つい口に出てしまうこの表現。頭が熱くなるような、あのもどかしい感覚を表す漢字、正しく読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
正解は「わずらわしい」です。
【煩わしいの語源と漢字の由来】
「煩わしい(わずらわしい)」は、心が乱れて落ち着かない、面倒で気が重い、あるいは複雑で整理がつかないといった意味を持ちます。
漢字の「煩」には、熱に浮かされるような苦しさが反映されています。「火」は燃える火、熱を指し、「頁」は人間の「頭」を指す部首です。
つまり、「頭に火がついたように熱く、苦しい状態」を表しており、もともとは熱病などで頭がのぼせることを意味していました。そこから転じて、思い悩んで心が乱れることや、複雑な物事に悩まされることを指すようになりました。
語源としては、病気などで体が弱ることを意味する「煩(わずら)う」が形容詞化したものです。
【脳内オーバーヒート! 煩わしい(わずらわしい)のトリビア】
●「煩悩(ぼんのう)」の源
仏教で人間を苦しめる心身の乱れを指す「煩悩」。この「煩」も、まさに「火で頭を焼かれるような苦しみ」が語源となっています。除夜の鐘を108回突くのは、この108つの煩わしい迷いを払うためです。
●「面倒」との違い
どちらも嫌な気持ちを表しますが、「面倒」が主に「手間がかかって大変だ」という作業的な負担を指すのに対し、「煩わしい」は「心が乱れて不快だ」という精神的な葛藤や、しつこく絡みつくような不快感を含みます。
●「頁(おおがい)」は頭の形
漢字の右側「頁」は、人間の頭を象徴する象形文字です。この部首を持つ漢字には「顔」「頭」「頂」など、頭部に関わるものが多く、知っておくと漢字の理解が深まります。
●「わずらう」の多様な意味
動詞の「煩う(わずらう)」は、「病気になる」という意味の他に、「恋い煩い」のように「思い悩む」、あるいは「言い煩う」のように「〜し兼ねる」という補助動詞的な使い方もされます。
