
『銀河鉄道999』には、松本零士さんの原体験も込められていた? 画像は劇場版『銀河鉄道999』Blu-ray(東映)
【画像】「えっ、大変すぎ」 これが朝ドラでも描けなかった、漫画家の貧乏生活です(6枚)
漫画家の生涯は「朝ドラ」に向いている?
朝ドラ『あんぱん』の最終回が放映され、「あんぱん」ロスに陥っているファンもいるのではないでしょうか。NHK総合では2025年9月29日から10月2日(木)まで、夜11時から『あんぱん特別編』が放映されています。のぶの妹・メイコ(演:原菜乃華)らサブキャラクターたちが活躍するスピンオフドラマです。
過去の朝ドラでは、『サザエさん』の作者・長谷川町子さんの家族を描いた『マー姉ちゃん』(1979年)、『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげるさんの妻・布枝さんのエッセイを原案にした『ゲゲゲの女房』(2010年)が好評を博しています。いずれも実在の漫画家をモデルにした物語でした。人気マンガにまつわるエピソードが盛り込まれ、視聴者の関心を惹くことに成功しています。
そこで、これから朝ドラ化するのにぴったりな、波瀾万丈な人生を送っているレジェンド漫画家たちを紹介したいと思います。
『男おいどん』松本零士のドラマチックな人生
成功した朝ドラを振り返ると、「鉄板」とも言える必須要素があります。家族のつながり、戦争体験、ビンボー生活とその後の成功談、夢の実現に向かって進む主人公を励ます仲間、そしてヒロインの存在です。
こうした要素を満たしている漫画家としてすぐに思い浮かぶのは、2023年に亡くなられた松本零士さんです。お父さんは陸軍のパイロットで、終戦から2年してようやく帰還しています。その間、お母さんが懸命に一家を支えたそうです。7人きょうだいだった松本一家は、かなりのビンボー生活を送っています。お父さんが帰ってきても、今にも潰れそうなボロ長屋で暮らしていたそうです。
高校を卒業した松本零士さんは、弟たちを大学に進学させるために一家の稼ぎ手になることを決意し、小倉から東京へ上京。夜行列車から見た夜景が美しく、この体験が『銀河鉄道999』となっています。胸ポケットには、女優の八千草薫さんのブロマイド写真を入れていたそうです。
上京した松本零士さんは本郷で下宿生活を始めます。このときの四畳半で過ごした日々は『男おいどん』で描かれることになります。下宿先の個性豊かな人たちとの交流は、『ちゅらさん』(2001年)や『ひよっこ』(2017年)でも描かれた、朝ドラの人気要素となっています。
下宿時代に松本零士さんはヒロインと出会います。初代「リカちゃん人形」の監修も務めた漫画家の牧美也子さんです。結婚後もふたりは共働きを続け、松本零士さんはTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』にスタッフとして参加したことがきっかけで大ブレイク。牧美也子さんも『悪女聖書』などのヒット作を放ちます。
欧州でも人気の松本零士さんはフランスのテクノユニット「ダフト・パンク」とコラボする一方、『宇宙戦艦ヤマト』の西崎義展プロデューサーと裁判で争うなど、晩年も破天荒エピソードには事を欠きませんでした。

ちばてつやさんの作品として知られる『あしたのジョー』文庫版1巻(講談社)
