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「朝ドラ×漫画家」の黄金パターン? 次に見たい、波瀾万丈な3人の物語

「朝ドラ×漫画家」の黄金パターン? 次に見たい、波瀾万丈な3人の物語

満州での体験がベースとなった『あしたのジョー』ちばてつや

 ボクシング漫画の金字塔『あしたのジョー』で知られるちばてつやさんは、壮絶な戦争体験の持ち主です。ちばてつやさんは幼少期を満州で過ごし、終戦後は一家で中国大陸を放浪し、1年がかりで帰国しています。何度も危険な目に遭いながらも、お父さんと仲のよかった中国人の徐(じょ)さんに助けられたことが、『ひねもすのたり日記』などで描かれています。力石徹の過酷な減量シーンは、放浪時の飲まず食わずの体験がベースになったそうです。

 また、ちばてつやさんの作品には孤児が多く描かれるのですが、それは日本に帰国した際に、上野駅周辺に戦争で家族や家を失った同世代の浮浪児たちが大勢いたことが忘れられないからだそうです。

 ヒロインとなるのは、『ひねもすのたり日記』に「奥ちゃん」として登場する夫人でしょう。ちばてつやさんが長期入院した際に、独断でアシスタントたちに退職金を渡し、プロダクションを解散しています。仕事で無理をしてしまう夫の体調を考えてのことでした。

 ちばてつやさんの弟・ちばあきおさんも『キャプテン』『プレイボール』などの野球マンガで売れっ子漫画家となりますが、仕事のストレスでアルコール依存症となり、41歳の若さで亡くなっています。ドラマ化されれば、漫画業界の華やかさと残酷さの両面を描いたものになりそうです。

 キャスティングも重要です。『あしたのジョー』の原作者・梶原一騎氏を誰に演じさせるか。不良性と純情さを感じさせる二面的キャラクターだけに、かなりの演技派でなくては務まりません。頭のなかで妄想キャスティングが止まらなくなります。ちなみに実写映画『すてごろ 梶原三兄弟激動昭和史』(2003年)では、梶原一騎役に奥田瑛二さんが扮しています。


水野英子さんの代表作を復刻した、『復刻版 ファイヤー! 上』(文藝春秋)

未婚の母に? 「トキワ荘」の紅一点だった水野英子

 少女漫画の先駆者である水野英子さんも、波乱たっぷりな人生を送っています。父親は戦後の混乱期に行方不明となり、母親も早くに亡くした水野英子さんは祖母のもとで育ち、15歳で漫画家デビューを果たしています。18歳で下関から単身で上京し、あの「トキワ荘」の一員となります。紅一点の存在でした。

 7か月間しか「トキワ荘」にいなかった水野英子さんですが、石ノ森章太郎さん、赤塚不二夫さんとの共同名義「U-マイア」としての作品を残しています。「トキワ荘のマドンナ」と呼ばれた石ノ森章太郎さんのお姉さん・小野寺由恵さん、みんなの食事の世話をしてくれた赤塚不二夫さんのお母さんらとも交流しています。

 藤子不二雄(A)さんのマンガを原作に、1986年に『まんが道』、1987年に『まんが道 青春編』がNHK総合でドラマ化されていますが、女性の水野英子さんの視点から描いた「トキワ荘」も観てみたいものです。女性漫画家は男性漫画家よりもギャラが低いなどのシビアな問題もあったようです。

 その後の水野英子さんは、自腹で海外取材した『ファイヤー!』を1968年~69年に発表します。ロック音楽の世界を題材にした『ファイヤー!』は少女漫画の枠を越えた人気作となり、2023年には復刻版が出版されるなど、今も愛され続けています。また、未婚の母としてマンガ執筆をしながら、出産と子育てを経験しています。

 朝ドラ向けかどうかは別にして、生涯に3回結婚したさいとう・たかをさん、流浪生活を送ったつげ義春さん、「般若心経」をコミック化した桑田二郎さんらの生涯も、気になるところです。ドラマプロデューサーのみなさん、レジェンド漫画家たちの物語はいかがでしょうか?

※本文の一部を修正しました。(2025.10.2 13.48)

配信元: マグミクス

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