3月1日にチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されたMotoGPの2026年シーズン開幕戦タイGPの決勝は、4年半ぶりにドゥカティ陣営がトップ3フィニッシュを逃したレースとなった。
タイGPの決勝では、ポールシッターのマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)が他を寄せ付けない走りで独走勝利し、さらに2位にはKTMのペドロ・アコスタ、そして3位にはアプリリア陣営トラックハウスのラウル・フェルナンデスが入った。
今回ドゥカティは、マルク・マルケスが4番手を走り、表彰台のチャンスを虎視眈々と狙っていたが、終盤にリヤタイヤがパンク。それによってトップ3フィニッシュのチャンスを失った。
4位にはアプリリアのホルヘ・マルティン、そして5位もアプリリア陣営の小椋藍(トラックハウス)と、今回はアプリリアが他を圧倒したレースとなった。
そしてドゥカティがトップ3フィニッシュを逃したのは、2021年のイギリスGP以来のことだ。日数にして1645日、実に4年半ぶりの出来事だ。
2021年を振り返ると、イギリスGPではヤマハ、スズキ、アプリリアという異なる3メーカーが表彰台を分け合っており、ファビオ・クアルタラロ、アレックス・リンス、アレイシ・エスパルガロがトップ3フィニッシュを果たしている。
その日から、ドゥカティ陣営のライダーがひとりも表彰台に立たないレースが再び訪れるまで4年以上もかかるとは、当時は誰も想像できなかっただろう。
この期間中、ドゥカティはライダーズタイトルを独占。2022~23年はフランチェスコ・バニャイヤが、2024年はホルヘ・マルティン、2025年はマルク・マルケスと、ドゥカティは王座をほしいままにしてきた。
この4年半はタイトルだけではなく、ドゥカティ支配を象徴する事例が数多く見られた。2024年のオーストラリアGPでは、マルク・マルケスが先頭でフィニッシュしたのを皮切りに、ドゥカティ陣営がトップ6を独占。また2025年のアルゼンチンGPでもドゥカティ勢がトップ5を独占した。また昨年のイタリアGPではトップ4を独占し、ドイツGPでも表彰台を独占……その栄華が続くように思われた。
しかしそれ以降はライバル、とりわけ同じイタリアメーカーであるアプリリアが深刻な脅威となり始めた。
実際に2025年最終戦バレンシアGPで、連続表彰台記録は途切れかけた。しかしラスト2周でファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)が3位に浮上したことで、記録がかろうじて繋がった。
失意のレースウィークをタイで過ごしたドゥカティ。多くの課題が浮き彫りとなった彼らとは対象的に、アプリリアにとっては祝福すべき週末となった。アプリリアは昨シーズン終盤のポルトガルGP、バレンシアGPに続き、このタイGPで3連勝。昨年の勢いを受け継いでいる。
今シーズンはアプリリアがドゥカティを打ち破り、王座に就く歴史的なシーズンとなるのかもしれない。

