WEC(世界耐久選手権)の今シーズン開幕戦は、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットを舞台に開催する予定となっている。開幕前の22日から23日にかけてはプロローグが行なわれ、26日から28日にかけては開幕戦1812kmレースというスケジュールだ。
しかしアメリカとイスラエルがイランに対する軍事攻撃を開始。イランはこれを受け、中東の周辺国にあるアメリカ軍の施設などに対して報復攻撃を実施しており、中東地域は混乱の渦の中に巻き込まれている。これにより、モータースポーツの世界にも影を落としているのは明らかだ。
バーレーン・インターナショナル・サーキットでは、2月28日と3月1日にかけてF1のタイヤテストが行なわれる予定だったが、これは中止に。そしてカタールでの開幕戦を控えるWECも、声明を発表した。バーレーンやカタールは、イラクによる報復攻撃の標的となっている国である。
「競技参加者、スタッフ、そして全てのファンの皆様の安全と安心を保証することは、我々にとって引き続き最優先事項だ。そのためFIA WECの運営チームは、カタールの関係当局と、常に直接連絡を取り合っている」
「FIA WECは、3月22日〜23日に開催予定のプロローグ、3月26日〜28日に開催予定のカタール1812kmレースについて、カタール当局と定期的に協議を行なっている」
「引き続き状況を日々評価し、必要に応じて最新情報をお知らせする予定だ」
この情勢の影響を受ける可能性があるのは、WECだけではない。4月10日〜12日にかけては、同じルサイル・インターナショナル・サーキットで、MotoGPのカタールGPが開催予定である。また同じ週末にはF1のバーレーンGPも開催され、その1週間後にはF1サウジアラビアGPも予定されている。
F1の広報担当者は2月28日の時点で、状況を注視していることは認めつつも、シーズン開幕から数戦は、戦闘が行なわれている地域での開催ではないことを強調した。
「開幕からの3レースは中東ではなく、オーストラリア、中国、日本を舞台に開催される。中東でも開催までには、今後数週間ある。これまで通り状況を注視し、関係当局と緊密に連携している」
しかしながら中東は、モータースポーツに関わる人たちにとって重要な地域だ。レースの開催地であるというだけではなく、欧州に拠点を置くチームやメーカーが、オセアニアやアジアに渡航する際には、ドバイやカタール、アブダビなど、中東の空港を経由地とすることが多い。しかし今回の事態を受けて、中東の空域の大部分が封鎖されており、空港も閉鎖……一部攻撃対象となった空港もあると言われる。そのため多くの航空便が欠航となっており、モータースポーツ関係者の渡航に影響が及ぶのは必至である。

