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【F1メカ解説】フェラーリの”くるりんパ”リヤウイングが合法の理由……稼働中は規定領域を超えてもOK?

【F1メカ解説】フェラーリの”くるりんパ”リヤウイングが合法の理由……稼働中は規定領域を超えてもOK?

F1のテストは全て終了し、あとは開幕戦を迎えるだけという状況になっている。そのテストで人々を驚かせたチームのひとつがフェラーリであることは間違いないだろう。

 フェラーリはバーレーンで行なわれたプレシーズンテストで、排気管の出口の先に小さなウイングを取り付け、ダウンフォースを稼ごうとした。また、フラップが180度回転するという革新的なリヤウイングも披露した。この独特な手法を他のチームは採っておらず、必然的に大きな注目を集めることになった。

 もちろんこの180度回転するリヤウイングのフラップは、アクティブエアロのモノである。通常フラップは、リヤウイングの中央部分に取り付けられたアクチュエータで稼働するようになっている。しかし180度回転させるためには、全く異なる形でアクチュエータをリヤウイングに仕込まねばならない。

 そのためフェラーリは、リヤウイングの翼端板にアクチュエーターを組み込んだ。薄い翼端板の内部にアクチュエーターの機構を収めるのは、非常に高度なパッケージングが要求される。しかも非常に高い負荷にも耐えなければならない。

メルセデスが2011年に採用した手法

 このようなパッケージは、2011年のメルセデスが実現した。このメルセデスのリヤウイングは180度回転するわけではなかったが、アクチュエーターを翼端板の内部に仕込んだという点では同じだった。

 ただフェラーリSF-26のリヤウイングのフラップには、非常に高い負荷がかかる。特にフラップを閉じる際には、ほぼ最高速に達している場面が多いはずで、大きな空気抵抗を受けることになる。その状況下でも、しっかりと作動するシステムを準備しておかねばならないのだ。

 またアクティブエアロは、1周につき最大で4回作動することになる。これは昨年までのDRSに比べると、頻度が高い。しかも前のマシンから1秒以内などといった制限はなく、レース中は毎周使うことができる。そういう意味では、高い信頼性が求められる。翼端板に収めるために小型化されたアクチュエーターの真価が試される部分であろう。

 なおレギュレーションでは、安全上の理由から、アクティブエアロが故障した時には、自動的にフラップを閉じた位置に戻るようにしなければならないという規定がある。この180度回転するフラップを自動で閉じた状態に戻すために、どんな機構が考えられているのかは、実に気になるところだ。

”くるりんパ”ウイング動き

 フェラーリは昨年までのDRSと同様に、フラップを持ち上げて開くタイプのリヤウイングも用意している。これと180度回転するフラップは、回転軸の位置が異なる。通常仕様のフラップは、後端付近にピボットが設置され、それを介して翼端板に繋げられていた。しかしこの180度回転式では、ピボットがフラップ中心付近に移動。これにより回転しやすくなっている。

 レギュレーションという面では、このウイングは許されている最大稼働範囲を超えているのではないかという指摘もあった。回転するため、ある時点ではフラップは地面と垂直になり、規定されている稼働域からはみ出してしまうからだ。しかしレギュレーションではこの部分の設計の自由度が広く、FIAとしてもフェラーリのリヤウイングは完全に合法であると宣言している。

 レギュレーションで規定されているのは、フラップが固定された時には、規定された容積の中に存在しなければならないということのみ。それは開いた時も閉じた時もだ。しかし稼働中に関する位置については特に定められておらず、フラップが存在できる容積を超えることも認められている……つまり、回転に関する自由度が増しているわけだ。

 フェラーリのエンジニアたちは、レギュレーションの文面を仔細に読み込んだに違いない。そして、非常に独創的な解釈を生み出した。

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