【漢(オヤジ)の旅 山口県周南市(1)】
『週刊実話 ザ・タブー』で連載中の藤木TDC氏による「漢(オヤジ)の旅」は、ギャンブルと酒のドケチ旅。今回は前号に引き続き「山陽連続旅打ち」の後編、山口県周南市の徳山競艇編である。
前回、広島の宮島競艇では久々の大(?)勝利も調子に乗って祝杯あげすぎ、財布の中は寒い状態に。だが勝負のツキが残っていれば、まだまだ黒字回収できる可能性はある。ついに勝利の女神が降臨した筆者に栄光は訪れるのか!?
プラス収支のまま徳山競艇に参戦!
ギャンブルと酒のドケチ旅、徳山競艇への旅は二日酔いから始まった。
宮島競艇で長いスランプを抜け、なんとかプラス収支となった。しかし、目覚めてみれば調子に乗って飲みすぎ頭ガンガン、胃はムカムカ。ギャンブルの旅は二日酔いとの戦いでもある。
そんな体調でも宿泊地の山口県岩国市から次の競艇場があるJR徳山駅へ向かわねばならない。鈍行列車は1時間に1本、乗り遅れたら大変だ。
フラフラしながら岩国駅へたどり着くと、待ち人の少ないホームには、懐かしや、下関競艇や山陽オートのときに乗った旧式の黄色い車両(トイレは和式)が待っていた。このローカル感、辺境感も旅打ちの醍醐味なり。
ガラガラの車内、4人掛けのボックスシートに一人ドカッと座って車窓を眺めれば、藤生駅を越えたあたりから目の前に安芸灘の静かな海が広がる。ああ、癒やされる。
二日酔いで胃が苦しいが、ビール飲みたくなる。しかしビールなど駅にもどこにも売ってない。ここは駅に売店すらない片田舎なのだ。
それから約1時間。新幹線車両工場で有名な下松を過ぎ櫛ケ浜駅が近づくと、今度は車窓に工場萌えの聖地、出光興産のコンビナートが現れる。入り組んだ鉄塔とパイプ、白煙と炎。壮大なレトロフューチャー建築に胸おどる。胸やけもきついが。徳山市街と競艇場、どんな場所なんだろう。
午前11時すぎ、初めて降りるJR徳山駅は新幹線も停車し、かなり立派。ただ駅前に人の気配はなく、車社会で鉄道駅周辺のドーナツ化が進む地方都市のリアルがはっきり。振り返れば駅の階段に競艇開催のラッピング。燃えるぜ。
徳山競艇の運営の素晴らしさは、無料送迎サービスがボロいバスでなく、タクシーを使っている点だ。乗り場まで歩くと係員のオジサンが「競艇場でいいの?」と目の前のタクシーを呼び「悪いけど相乗りしてくれる?」とヨボヨボのジイさんと一緒に乗車。
「悪いけど?」と断るってことは、一人乗りでも運行するのだ。タクシーは普通大型車でシートが広く快適。隣のジジイは邪魔だったが、大名気分のまま20分ほどで競艇場に着いた。
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都市部には類のない厄介な水面が…
競艇場は大島半島東側にあり、コンビナートのある徳山湾から見れば景勝地・太華山の裏側だ。競艇場からコンビナートは見えず、山肌にはりついた民家がコースの間近まで迫る珍しい環境だ。
コースは海を防波壁で囲っただけで消波装置もなく、潮の干満が露骨に影響しそう。1マーク先の奥行きが狭く、アウトからの大まくりは難しそうだがバック側水面幅が130メートルと異常に広く、先行艇の引き波を避ければ、直線で追い抜き可能だろう。
都市部には類のない厄介な水面かも…とイヤな予感。天候も前日の宮島競艇無風晴天と打って変わり、曇天に寒風吹きすさぶ冬型気候。風は寒いが、最高の観戦ポイントが西側スタンドへの通路にある吹きさらしのデベソ状バルコニーなので、レースは寒さをこらえて野外観戦だ。
レース結果の傾向を見るかぎり、1枠は9割が1着、予想はその後ろ②③④の並びの問題になる。しかも開催はG1、実力接近のA級選手のみ出場でヒラ開催の好きな筆者からすれば予想が立てにくい。
とりあえず5Rから買ってみる。④枠に格上の地元選手・白井英治。ここはカドでも食いつきがあるだろうと3連単①②④、①③④。ところがスタートで遅れイン差しも決まらず、結果は①②③。宮島で学んだ無念無想の流儀で買えば1390円もついたのに。
6Rは②にSG優勝4回賞金王2回の峰竜太。そこからで仕方なしと見たが、うまく内側を締めてターンした①を差せず2着ゴール。徳山は①が強いなあ…。ずっとこの展開だと困るよ。
【漢(オヤジ)の旅 山口県周南市(2)】へ続く
「週刊実話 ザ・タブー」3月13日号より
