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リンゴ・スターになりたくて|ビートルズのことを考えない日は一日もなかった 特別対談 Vol.17 金澤沙織

5歳からビートルズの映画に親しみ、物心がついたときには一端のビートルマニアになり、高校生のときにリンゴに憧れドラムを始めたという金澤沙織さん。現在はさおりんごスターを名乗り、ビートルズを好き過ぎるジャズ系ドラマーとして活躍している彼女にこれまでのビートルズライフ及び、ドラマー視点のビートルズサウンドの魅力に話を弾ませました。

ビートルズファンとして自分のオリジナル曲を作りたい

さおりんごスター名義のシングル

竹部 ぼくが最初にさおりんごさんと会ったのは、たをやめオルケスタのライブだったと思います。いつだったか。10年以上前であることは間違いない。

金澤:ですよね。バンドの取材もしてくださいましたよね。そのときビートルズのポスターをいただいた。確か。そんな記憶があるんです。

竹部:それは記憶がない(笑)。なんのポスターだろ。その後に古内東子さんのライブがあったじゃないですか。国際フォーラムで。バックがたをやめの。その楽屋で挨拶したことを覚えていますよ。

金澤:あれは2016年ですね。

竹部:このレコードは?さおりんごさん名義のビートルズカバーシングル。

金澤:懐かしい。これは2015年じゃないですか。

竹部:このレコ発ライブをアーカイヴァー鈴木さんと町田のライブハウスに観に行って、そこでサインをもらったんだと思う。そのあたりで『ビートルズ・ストーリー』の本にも協力してもらったりしましたよね。今日お会いするのはそれ以来だと思うんですよ。約10年ぶり。

金澤:『ビートルズ・ストーリー』は今でもよく見返しますよ。家にもずっとおいてありますし。

竹部:そうなんですか。それはうれしい。あれ、もう一度作り直したいんですよ。あれを作っていたのは『デラックス・エディション』が出る前で。

金澤:そっか。あれからいろんな情報が加わっているんですね。

竹部:そうそう。いろいろアウトテイクもいろいろ出てきているし。

金澤:「ナウ・アンド・ゼン」もまだ出ていないときですよね。

竹部:そうなんですよ。だから改訂版作りたいって、藤本さんと話していて。さおりんごさんは、『デラックス・エディション』は聞いていますか。ジョンが歌う「イエロー・サブマリン」とか。

金澤:それは聞きました。でもすべては聞ききれないですよね。

竹部:いろいろ出てきていますからね。今日は10年ぶりにお会いしたということで、さおりんごさんの近況を聞きたいんですけど、最近はどんな活動されているんですか。

金澤:相変わらず、たをやめはやっていますし、ビートルズバンド、時々自分のリーダーのバンド、あとはジャズバンドのライブもやっているんですけど、あの頃から変わったことというと、自分のオリジナルの曲が増えました。

竹部:といいますと?

金澤:私はもともとクラシックピアノをやっていたので、ピアノで作った曲をジャズ風に演奏したいなと思っていたんです。あと、ビートルズファンとして自分の曲を作りたいっていう夢、というか憧れがあったんです。最近はクラシックとかジャズとか関係ないところでの自分の曲ができるようになったんです。

竹部:それは聞いてみたい。

金澤:ピアノとドラムは人に習って学んで上達してきたんですけど、作曲に関しては誰にも教えてもらわずに、独学でやっているんです。ビートルズもそうじゃないですか。作曲を勉強したわけじゃなくて、吸収した音楽から作り出していますよね。その方法でやりたいと思って、あえて教えてもらわない。自分のフィーリング、その場の空気感を、どうメロディにしたらいいのだろうって考えて作り続けています。

竹部:それはインストなんですか。

金澤:まだ自分で歌詞を作るっていう感覚がなくて。

竹部:それをたまに人前で演奏したり?

金澤:はい。それがこの10年ですごく変わったことですね。

竹部:いくつかのバンドを掛け持ちしているのは大変そうですが。どこかの事務所に入っているわけでもなく?

金澤:ないです。始めたときから自分ひとりでやっています。プレイヤーであり、プロデューサーであり、マネージャーであり、みたいな感じでずっとやってきたんで、もう慣れちゃったっていう。

竹部:大変でしょ。

金澤:そんなにたくさん仕事の話は来ないですけど、来たときにこれはやったほうがいいか、やらないほうががいいかという判別する力はつきますよね。それは直感でわかるようになりました。

竹部:経験して鍛えられたんでしょうね。

金澤:そういうものだと思ってやってきたんですけど、こういう経験はしないでもよかったんじゃないかなって思うときもあります。

竹部:そういうときあるよね。いつかネタになったり、笑えたりしたらいいんじゃないかなと思うけど、その渦中にいるときは辛いですよね。

金澤:なんでこんな目に遭うんだろうとか。もしかしたら今の子はそういうのは少ないのかもしれないですね。

竹部:最初からやらないのかも。でもいろいろ経験したからこそ勘が磨かれるわけですよね。

金澤:今となっては良かったかなと。

アナログレコードを聴く時間が増えました

取材時にさおりんごさんが持参した私物アイテム

竹部:今はその決められた仕事をやりつつ、作曲活動も始めて。ご自身の最終到達点っていうか、目標はいかがでしょうか。

金澤:以前はこうなりたいという願望が強かったんですけど、最近はあまりそういう欲がなくなって、そのときにおもしろいと思ったものを一生懸命やろうっていう気持ちが強くなりました。やりたいことはやり尽くしたという感じはしていて。

竹部:年齢的なものかな。

金澤:そうかもしれません。40代に突入しました(笑)。

竹部:若い! 音楽をやっているからですかね。

金澤:私の周りの同世代の人もみんな若いんですよ。子どもっぽさが残っているというか。自分もそういう気がします。

竹部:いまの仕事のビートルズが占める割合ってどのくらいですか。

金澤:さっき言った以外にドラムのレッスンの仕事をしているんですが、ちょうどビートルズとジャズが半々ぐらいですかね。

竹部:毎日なにかしらで演奏している感じですか。

金澤:昔から比べると数は減りました。毎日ではないですね。選別してかないと。

竹部:コロナで変わったとか。

金澤:コロナのとき、最初の頃は何もできなかったんですけど、私は早い段階で再開した方でした。というのも、ドラムセットの周りって、ほかの人と一定の距離があるじゃないですか。管楽器や歌の人はシビアだったと思うんですけど、ドラム、ピアノ、ベースってある程度間隔を空けているので、わりと早い段階から演奏ができました。

竹部なるほど。

金澤:でもコロナのときに気づいたこともあって。人前で演奏ができないことが必ずしも悲しいことじゃないって。確かにつらい時期ではあったんですけど、プロになってから勢いでずっと走り抜けてきたので、ここらでちょっと一息ついてもいいかなっていうタイミングでもあったんです。だから精神的には問題はなかったですね。駆け出しの頃だったらつらかったかなとは思うんですけど。

竹部:一度休みたい時期だったと。

金澤:SNSだったり、配信だったりでも演奏ができたので、ライブを休んだとしても、人に忘れられるようなことはなかったですし。休んで練習ができる時間がもてたとも考えていましたし、補助金も出ましたし。逆に次のステップに行こうという意識になりました。あとはライブが貴重なものになったことで、応援してくれる人が集中してライブにたくさん来てくださるようになって、回数が少なくなっても苦しくはなかったです。

竹部:最近の趣味としてのビートルズ活動はいかがですか。

金澤:いくら仕事としてビートルズを演奏しても、ビートルズに対する気持ちは最初に好きになった子どもの頃のままというか、止まらないです。最近は昔好きだったものを掘り起こして、見たり聞いたりする時間が増えて、アナログレコードを家で聴く時間も増えました。あらためて研究したりしています。

竹部:どのあたりのレコード?

金澤:普通に日本盤とイギリス盤ですね。今日そのなかから一枚持ってきたんです。『サージェント・ペパーズ』のリマスター盤。これ、2017年にリバプールに行ったときに買ったんですよ。

竹部:思い出のレコードだ。2枚組なんですね。音がいいんだ。きっと。

金澤:いいですね。アナログは「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の最後のリフレインが無限ループなんですよ。

竹部:そうだ。自分で針をあげない限り終わらないやつ?

金澤:ビートルズのレコードは親が持っていたやつが実家にあって。あとは知り合いやファンの人からいただいたりしたので、自分で買ったのはこれがもしかしたら初めてで。

竹部:CD世代ですもんね。レコードで聞いて気づく魅力もありますよね。

金澤::レコードで聞くと、そこでビートルズが演奏しているみたいな感覚があります。そこにドラムがあるなって。いいスピーカーで聴いているからかもしれないですが。

竹部:CDや配信とは全然違いますよね。

配信元: Dig-it

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