大相撲春場所(3月8日初日)で3場所ぶりの優勝を目指す横綱・大の里が、大阪府寝屋川市の境川部屋へ出稽古し、幕内・平戸海と三番稽古を行った。26番連続で取って16勝10敗だった。相撲ライターが評するには、
「もっと一方的な内容になるはずでしたが、大の里の調子が今ひとつ。相手の左おっつけで右差しを封じられると、出足の良さに土俵を割る場面が目につきました。調子は悪いですね」
不利な体勢で引いた際は、師匠の二所ノ関親方から「我慢して前にもっていかないと」と指摘された。全身から汗を吹き出した横綱は、
「体がバラバラ。もう少しやらないとダメです。初日までまだ時間があるので、しっかり立て直す。最初は15番くらいで終わろうと思った。でも考えていた以上に納得できなかった」
意気消沈である。
一方の平戸海はというと、
「本来は自分がいかなければならないのに、来ていただいた。力を出さなければ失礼にあたる」
と謙虚だった。大の里とは対照的に、こちらは意気揚々。当然だろう。2つか3つ勝てばいいのに10番も勝てたのだから、春場所は二桁勝利を目指せるだろう。
このところの大の里は、すっかり脇役に回ってしまった感がある。左肩痛などの影響で、先場所は10勝止まり。今場所は大関・安青錦の綱取りという大きな話題があるが、
「人のことを気にする余裕はない。当たるのは後半戦。そこまで体調を万全にして、一日一番に集中する」(大の里)
その安青錦についても、前出の相撲ライターは不安を口にする。
「稽古を見ていて、体力不足を痛感します。このまま横綱に上げてしまっては、短命に終わる可能性があるでしょうね」
春場所は混沌としてきたようだ。
(蓮見茂)

