
「ロビン・フッドのよう」バルサ会長が“凄まじい求心力”を誇る理由 迫る次期会長選でも大本命「欠点だらけなのは分かっている。それでも投票してしまう」【現地発】
ジョアン・ラポルタの体重を知る必要はない。その重みのせいで、彼の卓越した身のこなしが制限されたことなど一度もないからだ。
彼は常に窮地を切り抜け、鮮やかに着地することに慣れている。バルセロナの会長であることに無上の喜びを感じ、おそらくこの職が終身制であることを望んでいるだろう。3月15日に開催される次期会長選挙でも、勝利を確信している。彼はバルサのために生き、バルサにすべてを捧げる人生を送っている。
再選を目指す候補者となるため、今月9日から一時的に辞任を余儀なくされた。だが、この「候補者」という立場こそ、彼が最も得意とする役回りだ。誰よりもバルサを理解し、その本質を体現しているのは自分だ、と証明すればよいだけなのだから。ビクトル・フォント、マルク・シリア、シャビエル・ビラホアナという3人のライバルは、ラポルタを支持する岩盤の固定票に対抗すべくソシオの動員を狙っているが、候補者が乱立し、選挙戦が短期間であるほど、本命であるラポルタに有利に働くのは明白だ。
ラポルタの真骨頂は、その強烈なメッセージ発信力にある。「一銭も持たず、四面楚歌の中で戦いながらも、チャンピオンになり、スタジアムを建設することは可能だ」――。そんな彼の言葉は、ある種の熱狂を伴って響く。「欠点だらけなのは分かっている。だが、それでも彼に投票してしまうんだ」と漏らす元役員がいるほど、その求心力は凄まじい。
ラポルタは、メディア、政治、経済といった既得権益からクラブの独立を守り、そして何より「レアル・マドリーと戦う」ための最良の交渉役として振る舞う。そのポピュリズム的な手法に疑問の声があがっても、彼のカリスマ性がすべてをねじ伏せてしまう。バルセロニスタにとって、彼はロビン・フッドのようでもあり、その不屈の精神ゆえにブレイブハートのようでもあるのだ。
国家の後ろ盾を持つ金満クラブや、利権にまみれた巨大組織を相手にしても、クラブを「家族経営」のように牛耳り、苦しい解決策も資産の切り売りによる「レバー(Palancas)」という言葉で煙に巻く。1月25日のオビエド戦、屋根のない改修中のスタジアムで激しい豪雨と雹が観客を襲った際、ラポルタは傘もささず、合羽も着ずに貴賓席で雨に打たれ続けた。「私も諸君と同じ被害者だ」と言わんばかりのその姿を前に、誰も工事の遅れを非難することはできなかった。
本能か直感か。彼は常に「勇気」と「即興性」の人であり、金銭的な窮地でも常に救い手を見つけ出してきた。『The New York Times』は、バルサを25億ユーロという「サッカー史上最大の負債を抱えたクラブ」と報じている。
一方で一部のアナリストは、対抗馬が「倒産の危機」を訴えるだけでは選挙戦には勝てないと見ている。バルセロニスタは、ジョアン・ガスパール、ジョゼップ・マリア・バルトメウといった歴代政権が残した破滅から、二度もクラブを救い出したのはラポルタだと知っているからだ。
いつもの通り「ボールがゴールに入ってさえいれば」、ラポルタが罰せられることはない。まるで自ら招いた数々の綻びに対し、免疫を持っているかのように。かつてメッシを放出した際もそうだった。
当初はラ・リーガのハビエル・テバス会長と合意し、メッシの契約延長は目前だったはずが、ラポルタは突如として方針を転換。怨敵のトップであるフロレンティーノ・ペレスと同盟を組み、欧州スーパーリーグ構想への賭けを選んだことで、メッシとの決別という結末を招いたのだ。そして今、かつての同盟者は再び敵となり、かつての敵が「バルサの利益のため」に必要な友となっている。
2021年の復任当初は、優秀な専門家たちをアドバルーンのように掲げていたが、CEOのフェラン・レベルテルをはじめ、これまでに27名もの幹部・役員がクラブを去った。今や全ての決定は会長ひとりの手に握られている。彼は不確実性を手なずけ、たった一人で複雑な交渉をシンプルにしてしまうのだ。
今回の選挙において、ラポルタは2003年の時の「デイビッド・ベッカム獲得」のような、耳目を集めるための「奇策」を必要としない。圧倒的な本命だからだ。彼は自らの勇気によって、バルサを破産の危機から救ったという自負がある。ハンジ・フリックの招聘とラ・マシアの再興、そして新カンプ・ノウ建設という大博打。これら果敢な挑戦こそが、あらゆる批判を跳ね返す「防弾チョッキ」となっている。
今のラポルタの体重は、健康の証か、あるいは懸念の種か。いずれにせよ、彼が周囲を無関心にさせることだけはない。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
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