ヒートソックスについて

電熱ソックスの「XLP S」シリーズは、用途やフィット感の好みに合わせて選べる3タイプをラインナップ。快適性を重視した「Comfort」、ブーツ内でかさばらない薄さと保温性のバランスを追求した「Thin」、そしてレースシーンを想定し、薄手ながら暖かさと快適性を両立しつつ雪面感覚を的確に捉えられるよう最適化された「Race」が用意されている。
ヒーティング方式は、つま先全体を広範囲で包み込む「Surround」と、つま先下部と母指球周辺を効率よく温める「Classic」の2種類。さらにバッテリー容量は、最低温度設定で約8~10時間使用可能な「XLP 1S」と、同条件で約16~18.5時間稼働する「XLP 2S」の2タイプがある。
レースモデル「HEAT SOCKS SURROUND RACE」使用レビュー
今回試したのは、このシリーズの中で唯一、日本国内で入手可能(取扱:クレブスポーツ)な「HEAT SOCKS SURROUND RACE」。パフォーマンスを重視した薄型設計のモデルで、その主な特徴は以下のとおりだ。
※バッテリーセットは別売り

HEAT SOCKS SURROUND RACE
約5~7時間の充電で最大約18時間暖かさをキープ。バッテリー残量が減っても出力は変わらず、操作もスマホアプリから簡単に行える。
機能:
・薄型設計の高機能ヒートソックス
・つま先を包み込む「サラウンドヒーティング」
・高い吸湿放出性能
・溶着ワイヤー構造によるシームレス仕様
・着圧:ややソフト(PFI30/5~10mmHg)
・部位別サポートの立体補強
素材:メリノウール40%、ポリアミド35%、エラスタン25%
カラー:ブラック
サイズ:横5cm、縦9cm、厚み1.4cm/S(22.0-24.0cm)、M(25.0-26.0cm)、L(27.0-28.0cm)
動作温度範囲:-20度~+30度(参考値)
通信機能:Bluetooth Low Energy対応
対応アプリ:HOTRONIC Heat App(iOS/Android対応)
重さ(約):120g(1個)
$135.00 USD

XLP 2S BT POWER SET
機能:
・軽量かつコンパクトなリチウムイオンバッテリー搭載
・インテリジェント充電技術搭載
・一定の加圧出力を維持
・Bluetooth経由で専用アプリ『HOTRONIC Heat App』から発熱レベルやスタンバイ/保管モードを設定可能
$359.00 USD
テスト環境は、ゲレンデでのフリー滑走(1月中旬/野麦峠スキー場/晴れ/気温-5℃前後)と、イベント受付業務として終日屋外で着席している状況(2月頭/星野リゾート ネコマ マウンテン/小雪/気温−10 ~-5℃)という、性質の異なる2条件。前者では滑走中の感覚や操作性、後者では長時間着用時の保温性や快適性に焦点を当て、それぞれの場面で感じたメリットとデメリットを率直にレポートする。


使用前に、まずは充電。バッテリーの赤いカバーを外し、USB-C端子付きの充電ケーブルをスナップ式コネクターで接続する。充電時間はおよそ5〜7時間。前日の夜に準備しておけば、就寝中に充電を完了できる。

フリー滑走テスト
翌朝、まずは装着。サイズはM。表記は“ややソフト”な着圧だが、実際は想像以上にタイトで、やや筋肉質なふくらはぎの編集部員には履くまでが一仕事だった。膝下の細長い欧米ユーザー向け設計なのではと感じた。とはいえ、履いてしまえば違和感はなく、着用感は一般的なコンプレッションソックスと同等。むしろ甲部分は柔らかく、肌触りも滑らかでクッション性を感じるほど。


電熱線部分に触れてみると、じんわりと穏やかな暖かさ。長時間触れていると低温やけどのリスクがあったり、中身が偏って熱さにムラを感じたりするカイロと比べて安心感がある。
温度調整は、ユーザーマニュアルも確認できる専用アプリ『HOTRONIC Heat App』(Android版/iOS版)で行うが、接続は想像以上に簡単。表示は英語ながら、Bluetooth機器のペアリングに慣れていれば迷う要素はない。アプリと本体それぞれのボタンを押すだけで、左右それぞれを接続し、好みの温度を4段階から選べば準備完了だ。


バッテリー外装は柔軟なシリコン製で、脚のラインに沿ってやや湾曲する設計。スキーで装着するほかの装備と比べれば、重さというほどの重量もない。


履き心地として、最初は足裏にすこしの違和感があったが、滑り始めるとそれもすぐに気にならなくなった。試しに片足だけ履いて過ごした日には、その差がはっきり感じられた。加温していない足は冷えのせいで気が散る一方、履いている側は電気が巡り、余計な“気”を取られることなく滑りに集中できた。
静止(待機想定)テスト
極限環境下、主にレーシングシーンでの使用を想定して開発されたハイエンドモデルのソックスを、贅沢にも“待機時間”を想定した日常環境でも試してみた。結論から言えば、印象は“暖かい”の一言に尽きる。あえて難点を挙げるとすれば、装着の手間と価格、そして手洗いの際に多少気を遣う点くらいだ。
バッテリー容量も、感覚的な“1日”を過ごすには十分。本体の重さやサイズも想像していたほど気にならない。じゃりじゃりした靴用カイロを仕込み、常に何かを踏んでいる感覚のまま過ごすのと比べれば、その快適さは明らか。暖かいのに蒸れにくいという点も、想像以上の快適さ。素材にはメリノウールを40%配合しており、保温性と吸湿放出性を高いレベルで両立している。
コンマ1秒を削り出すために、板やブーツと同様の先端技術が惜しみなく投入された、まぎれもないレースギア。その実力を体感する結果となった。気になる人はぜひ一度試してみてほしい。
Information
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