救援陣に不安、クローザーは誰が適任か
4試合ある1次ラウンドでローテーションを任されるであろう先発ピッチャーは、今江氏
の見立てではこうなる。
「前回、ピッチャーとバッターの〝二刀流〟で活躍してくれた大谷選手が今回はバッターに専念するので、山本由伸選手が柱になるでしょう。
昨シーズンのワールドシリーズMVPと実績も十分なので、誰もが認める投手陣の軸として引っ張ってくれる。そこに、オリオールズで10勝を挙げた菅野(智之=現ロッキーズ)選手、エンゼルスでローテーションを担った菊池雄星選手のメジャーリーガーも期待感が高まります。
もうひとりは、前回大会も経験する伊藤大海選手になるのかな、と。1次ラウンドは少ない球数制限なので、この4人がしっかりゲームを作って、試合中盤から〝第2先発〟と呼ばれるピッチャーなどで繋いでいく――そういった継投になっていくのではないかと思います」
不安材料が残る救援陣。なかでも守護神について、今江氏は当初、楽天時代に236セーブを挙げ実績十分の松井を推していたが、白紙となってしまった。そのため「信頼できるピッチャーを流動的に起用するのかもしれない」と予測している。
「ここは難しいです。抑えの経験が豊富なピッチャーに任せたいところではありますけど、過去の大会を見てもダルビッシュ(有)選手や大谷選手も抑えをやりましたから。クローザーというのはゲームを締めくくる役割なので、『この選手で打たれたらしょうがない』と信頼される存在が投げなければいけません。代表メンバーはそれだけの選手が揃っていますけど、誰が投げるのかの適性を見極める部分は重要なポイントになるでしょうね」
投手陣のみならず、野手も含め試合ごとに情勢が変わっていく国際大会において、井端監督の采配も重要となる。今江氏自身も監督経験者として注目しているという。
「前回大会で栗山(英樹)監督が不振だった村上選手を起用し続けたように、井端監督もスタメンに選んだ選手に命運を託すのか? それとも、調子やコンディションによって臨機応変に代えていくのか? そこは大きな見どころです。短期決戦はみんなでカバーし合えないと絶対に優勝できないと思いますし、そのあたりを井端監督がどういう観点から判断し、采配に繋げていくのかは楽しみですね」
決して侮れない台湾
前回王者であるため、日本は各国から徹底マークされる。今江氏が警戒するチームとは。
「もう、全部です。1次ラウンドで戦うチームでは、プレミア12で日本を倒して優勝した台湾は第一に警戒すべきです。韓国は最近のWBCで結果は出ていませんが、去年にサムスンライオンズで打撃インストラクターとして指導させてもらった僕としては、力がある選手が多いと感じました。国際大会になればやっぱり怖い存在になってくるでしょう。
準々決勝以降に勝ち進められるとすれば、ドミニカとベネズエラの中南米のチームは日本にとって厄介になるはずです。2013年の第3回大会の準決勝でプエルトリコに敗れたように、彼らは乗ってきたら日本であっても食い止められないくらい勢いづいてくる。だからこそ、序盤から投打ともに攻めて流れを作らせない戦いが求められます。
勝ち上がれば決勝での対戦が予想されるアメリカも、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手などスター選手が揃っています。前回の決勝で負けているのでリベンジに燃えているでしょうし、このカードが再び実現できれば大きな話題になるでしょうね」
最後に余談ではあるが、今大会は動画配信サービス「Netflix」の全試合独占配信となり、地上波では放映しない。「お金を払ってまで見たいとは思わない」といった声も散見されるなか、その盛況ぶりにも注目が集まる。
「今回も連覇の可能性は十分にあります。前回があれだけ盛り上がったんですから、侍ジャパンが勝ち進めば日本人なら絶対に見ますって。だって、WBCですよ!」
文/田口元義

