なぜ今もその形を保っているのか?
ですが、どうしてアロコスはその形のまま、壊れずに残っているのでしょうか? 細い部分でつながった構造は、見るからに壊れやすそうです。
その答えは、カイパーベルトという環境にあります。この領域は天体同士の距離がとても遠く、衝突の機会がほとんどありません。太陽系の内側のような激しい衝突が起きにくいため、誕生当時の姿をそのまま保てたのです。実際、アロコスの表面には大きなクレーターがほとんど見られません。
研究チームの成果は、これまで有力視されながら完全には証明されていなかった「重力崩壊説」を強く後押しするものとなりました。
一方で、観測ではより高い割合で雪だるま型天体が見つかっているという指摘もあり、今後さらに精密なシミュレーションが求められています。
宇宙の果てで静かに漂う、40億年前の雪だるま。その姿は偶然の産物ではなく、太陽系誕生のドラマが生んだ自然な結果だったのかもしれません。太陽系がどのように生まれ、惑星が形づくられていったのか。その謎を解く大きな手がかりとして、アロコスの研究はこれからも続いていくことでしょう。
なお、この研究は2026年2月19日付の『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』誌に掲載されました。
参照
Royal Astronomical Society 「Why some objects in space look like snowmen」
The Guardian「Mystery of snowman-shaped space objects cracked」

