
「君の名は。」「すずめの戸締まり」を手がけたコミックス・ウェーブ・フィルムの短篇アニメーション映画「しらぬひ」が8月21日(金)に劇場公開される。この度、ティザーポスターと特報映像が解禁された。
■少年の痛みと愛を描く物語
監督は、商業アニメーション映画初挑戦となる新鋭、片野坂亮。スーパーの鮮魚コーナーで働く傍ら、フリーの映像作家として自主制作を続けてきた実写映画やアニメーション作品の手腕が認められ抜擢された。
物語の舞台は1996年、夏の終わり。熊本の海辺の町で暮らす10歳の少年・湊(みなと)は、酒に溺れる父とふたりきりで、息をひそめるように生きていた。湊の唯一の心の拠り所は、弁天島に現れる少女の神さま“べんちゃん”。彼女と過ごすひとときだけが、湊にとって自分を取り戻せる時間だった。しかし児童養護施設への入所が決まり、べんちゃんとの別れの時が迫る。湊は、ひとつだけ願いを叶えてくれるという、海に浮かぶ不思議な光<しらぬひ>に祈りを捧げるが、父への憎しみが募るにつれ、その“祈り”は取り返しのつかない“呪い”へと姿を変えていく。
愛されることなく育った少年が、次第に自分の存在と引き換えに破滅を願ってしまう――そんな憎しみの奥底で消え入りそうな少年の心をそっと抱きしめる、愛の物語。
■ティザーポスター&特報予告が解禁
ティザーポスターは、昼と夜が溶け合う空の下、海を駆ける主人公の少年・湊の姿が描かれている。湊の切実な表情とともに、「その祈りは、呪いに変わる」というコピーが添えられ、希望と絶望の狭間で、揺れ動く少年の心情が日本的原風景の中で表現されていく。
特報予告は、幻想的に海に揺らめき、ひとつだけ願いを叶えてくれるという神様の光<しらぬひ>から始まる。幼い湊がクジラのピアスをした母を見上げ、母は<しらぬひ>に“クジラになりたい”と願う。一転して、10歳になった湊が暮らしているのは荒れ果てた家の中。そこに母の姿はなく、残されたクジラのピアスを大切そうに眺める湊が願うのは“父の死”。
そして予告のラストシーンでは、夏の終わりのひぐらしの鳴き声とともに、木々が鬱蒼と生い茂る島へ向かう湊の姿が映し出される。哀しい程に美しい郷愁の風景と、胸を締め付ける不穏さ。対照的な感情が交錯する、鬼気迫る映像となっている。

