アストンマーティン・ホンダは2026年型マシンの開発で問題に直面している。開幕戦オーストラリアGPを前にチーム代表のエイドリアン・ニューウェイからは、ドライバーが負傷する可能性や走行を制限することについて語られた。同チームのドライバーであるフェルナンド・アロンソは、この件についてより細かく語った。
アストンマーティン・ホンダが現在悩まされているのは、車両の異常振動。この振動の元はエンジンであり、バッテリーのシステム系に深刻なダメージが及んでいるという。その結果、バーレーンでのプレシーズンテストでは満足に走ることができなかった。
ニューウェイ代表は、この振動がマシンだけでなくドライバーの手に長期的な問題を引き起こす可能性があり、原因追求と改善まではレースの周回数を大きく制限する必要があると語った。
「この振動は信頼性にも影響を及ぼしている。ミラーが脱落するなどの問題が発生してしまい、対処を迫られているんだ。しかし、より重大な点がある。振動が最終的にドライバーの指へ伝わることだ。フェルナンド(アロンソ)は、25周以上連続して走行すると手に永久的な神経損傷を負うリスクがあると感じている。ランス(ストロール)は、その限界が15周だと考えている」
ニューウェイ代表はそう語った。しかし、当のアロンソはこういったチーム側の発言のニュアンスを和らげようとしている。
「痛みではないよ。マシンをコントロールするのも難しくない」と、アロンソは言う。
「アドレナリンはどんな痛みよりも遥かに強い。勝利を争っているなら、マシンに3時間だって乗っていられる。それは明らかだ」
「マシンに乗っている間、それが走行感覚や操作を妨げる制限にはならない。とはいえ、通常とは異なる状況であることは確かだ。本来はそうあるべきじゃないことではあるね。この状態で何ヵ月も走り続けた場合の影響も分かっていない。解決策を講じる必要がある」
単なるマシンへのダメージだけではなく、ドライバーへのダメージというニューウェイ代表の発言は、大きく注目されることになった。
しかしアストンマーティンとしては、かつての2010年台のマクラーレン・ホンダ時代の崩壊を繰り返さないためにも、問題をホンダだけのせいにはしていない。
そして当時マクラーレン所属だったアロンソは、ホンダのPUを「(下位カテゴリの)GP2エンジン!」と言い放つなどしてきた過去がある。だからこそ、現在のアロンソの口ぶりがより”外交的”なトーンであることは注目に値する。
「エンジンからの振動は、マシンのいくつかのコンポーネントに多少影響を与えている。ドライバーとしても、20〜25分ほど経過するとその振動を身体で感じる。手や足が少ししびれるような感覚だ」
アロンソはそう説明する。
「課題ではあるけど、Sakura(ホンダのPU開発拠点であるHRC Sakura)では毎日解決策を探っている。バーレーン以降、色々なテストも実施された」
「一部の対策はすでにマシンに投入されている。ホンダが問題を解決すると僕は100%信じている。彼らは過去にもそれを成し遂げてきた。常に競争力を発揮してきたし、F1のトップエンジンであり続けるだろう」
厳しい状況にあるアストンマーティン・ホンダ。しかしニューウェイ代表も「ホンダを完全に信頼している」とも語った。
「今回のことで、ホンダとアストンマーティンの関係は強化されたというのは、ポジティブな一面かもしれない。我々は現在、非常に緊密なパートナーシップを築いており、それは明らかに良いことだ。そして、お互いに助け合えると思っている」
「ホンダのパワーアップと競争力を高める能力を私たちは信じている。彼らは実績があるからね。我々は完全に信頼しているんだ」

