●トランスデューサー技術と厳格な音質基準
オーディオテクニカの背骨は、創業以来のアナログカートリッジ開発で培ったトランスデューサー技術にある。製品化にあたって「このクオリティを超えないと出さない」という明確な音質基準を置き、そこから逆算して回路や素材、機構を決めていく。だからこそオーディオテクニカらしい音が守られるのだ。
「価格ありきではなく、理想の音質に必要な技術を投じるという順番を大切にしている。時代に合わせた便利さも取り込むが、根っこは『音の良さ』」と倉橋リーダーはアピールする。
●便利さは手段、主役は「音」
今、AIが世界的なトレンドとして注目を集めている段階で、オーディオ関連でも好みに合わせて音をパーソナライズ、部品進化による省電力や長寿命化など、実務的なメリットが多くなる可能性がある。通信側ではWi-Fi 6/7や5Gの普及がストリーミング体験を底上げし、ワイヤレス対応はもはや必須要素になりつつある。
そんな中、オーディオテクニカでは「AIを音質のイコライザーの進化形として生かす余地はある。ただ、あくまで主役は『音』。デジタルは体験を最適化するために使う、そのスタンスは変わらない」(倉橋リーダー)という。

