キャデラックのドライバーとして今季F1に復帰するバルテリ・ボッタスは、本来ならばその初戦でいきなりグリッド降格ペナルティを受けるはずであった。しかしレギュレーションの文言が変更されたことで、これを免れることになった。
ボッタスは2024年の最終戦アブダビGPで、他車をスピンさせ、さらに別のマシンとも接触したとして、次戦5グリッド降格の処分を受けた。そのうち、スピンさせられた方のドライバーは、今季キャデラックでボッタスと組むセルジオ・ペレスであった。
ただボッタスは、2025年のF1レギュラーシートを喪失。”次戦5グリッド降格”のペナルティを消化できずにいた。そして今季F1に復帰。本来ならばその初戦で、ペナルティを受けなければならなかったはずだ。当時のレギュレーションでは、”次戦”という文言には時限が設けられていなかったからだ。
しかし2026年に向けてスポーティングレギュレーションが変更。B1.9.5条では、グリッド降格ペナルティについて次のように記載されている。
「当該ドライバーがその後12ヵ月の間に出場する次のスプリントまたは決勝レースにおいて、グリッドを下げること」
つまり”12ヵ月”という時限が設けられることになったわけだ。ただ不透明であったのが、この新しいレギュレーションが過去に遡って適用されるのか、あるいは当該年のレギュレーションに従わなければいけないのかということであった。
しかしオーストラリアGPの木曜日、FIAは新しいレギュレーションが過去に遡って適用されると認めたため、ボッタスのグリッド降格ペナルティは帳消しとなった。
「どうやら新しいレギュレーションのおかげで、そのルールは消滅したみたいだ」
「だからグリッド降格ペナルティはない」
なお新しいレギュレーションでは、グリッドの決定に関してもこう規定されている。
「過去12ヵ月の間に当該レースで課された未消化のグリッド降格ペナルティが累積15以下のドライバーには、予選順位と未消化のグリッドペナルティの合計に相当するグリッドポジションが割り当てられる」
とはいえキャデラックでのデビュー戦に臨むボッタスにとって、2024年のグリッド降格ペナルティが科されていたとしても、大きな意味は持たなかっただろう。キャデラックは完全な初参戦であるため、Q1を突破するのは簡単ではないと考えられるからだ。
「大変な作業で、多くの問題解決に追われた。でも、すでに大きな進歩を遂げている」
ボッタスはそう語った。
「そして最初のレースに向けて、準備万端でここにいられる。チームの全員に本当に敬意を表するよ。素晴らしいことだ。だから、この先の道のりを楽しみにしている」
キャデラックに何を求めるか? そう尋ねられたボッタスはこう語った。
「進歩だ。それが一番だよ。シーズン頭から終盤にかけて、どんどん良くなっていかなければいけない」

